新型のボディは滑らかな面で構成
センターディスプレイは14インチ
エクステリアはボディに溶け込んだスピンドルグリル、エッジではなく面で構成する造形など、新世代レクサスのデザインモチーフを随所に採用。一見キープコンセプトだが、サイドのシルエットに従来型の面影を残す以外は別もの。よくも悪くも“ガンダムチック”だった旧型に対して、滑らかで優美な印象でまとめた。ボディサイズは全長×全幅×全高4660×1865×1660mm。1stモデル比で全長と全幅はそれぞれ20mm拡大、全高は15mm高い。
インテリアは全面的に新しい。コンセプトカー、LF-Zで提案した、手綱(たづな)1本で意思疎通を図る人と馬に着想を得た“TAZUNAコクピット”の具体化だ。視線を自然に誘うメーターフード(表示も新デザイン)、ドライバー側に寄せてコクピット感を強調した14インチ大画面タッチスクリーン(普及版は9.8インチ)が印象的。ともに意匠性よりも機能を重視したデザインでまとめている。実際に使ってみると、操作方法や階層がわかりやすい。煩雑だった設定項目は整理されていた。
ドアの開閉操作がレバー式からスイッチによる電気制御式(eラッチシステム)に変更された点もニュースだ。和室の“ふすま”のようにワンモーションでドア開閉ができる。外から開けるときは“引く”、中から開けるときは“押す”だけでいい。馴れると実に使いやすい。バックアップとして従来と同様のレバーが残されているのも安心ポイントである。
シートも新しい。形状はレクサス共通イメージだが、深吊り構造の採用で座り心地をリファイン。同時に体のブレを大幅に少なくした。リアシート空間は足元/頭上ともに拡大。旧型で好評だった後席シートバックの電動格納/電動引き起こし機能は、上位グレードに継承されている。
すべてのメカニズムが
レクサス最新期待に応える走りを追求
メカニズムは最先端。TNGAを全面採用しパワートレーン/プラットフォームともに一新した。プラットフォームはGA-K型をベースに、環状構造/高剛性発泡剤の最適配置/レーザースクリューウェルディング/構造用接着剤/レーザーピーニング溶接技術、ツインロック構造のエンジンフードを採用した専用タイプだ。
サスペンション(フロント・ストラット/リア・トレーリングアーム式ダブルウィッシュボーン)も新しい。Fスポーツには最新のリニアソレノイド式AVSを採用。加えて、ISから展開されたハブボルト結合やレクサス初となるバリアブルラックギア・ステアリング機構を導入。20インチ仕様にはEMTタイヤ(ランフラットタイヤの一種でパンクの際も一定距離走る性能を確保した構造を備える)を装着した。走りのレベルアップをもたらす“武器”は数多い。
パワートレーンは4タイプ設定。ガソリンは旧型2Lターボ以上の加速力を備える2.5L・NAと、パフォーマンスと環境性能をバランスさせた新開発2.4Lターボ。ちなみに2.4Lターボは従来のV6・3.5Lに替わるパワフルなスポーツエンジンという性格。今後の拡大展開が楽しみだ。