おすすめは
毎日5分の朝ミーティング
特に効果的なのは、部下と話すことです。
私がおすすめするのは、「毎日5分の朝ミーティング」です。
午前10時から5分だけなど決まった時間に、昨日やった仕事や今日やる仕事について部下(若手)話してもらうのです。
オンライン会議でもいいでしょう。
それに対し「それはよかったね」「その動きはいいね」などと、ポジティブに反応するのです。
大げさにリアクションする必要はありません。
「話を聞きたいから、5分だけ時間がほしい」と、話を聞く機会をこちらからつくる。
これだけでも「見てるよ」サインは十分伝わるからです。
「見てるよ」サインを出すと、部下に安心感が生まれます(ただし、やりすぎは「監視」になってしまうので気をつけたいところです)。
安心感が生まれると、1個、2個と、新しいチャレンジをするようになります。
最初は質問に答えることすらできなかった新人が、上司がちゃんと反応し続けていたことで少しずつ自信を持って話せるようになり、たった数週間でいくつものアイデアを出すようになり、翌月には「プロジェクトリーダーをやりたい」と名乗りを上げるまでに成長した。こういった話はよく耳にします。
特に新入社員は、妙な先入観がないため、自分の意見を安心して言えるようになれば、ベテランでは思いつかないような切り口や発想で大胆な提案をすることもあります。
心理的安全性を高めるだけで、飛躍的に成長する人も出てきますので、ぜひとも意識的におこなっていただければと思います。
反応するコツは、ほめて、ほめて、ほめる。
「ほめるだけ」ではダメですが、コミュニケーションの第一歩としては、何はともあれ、まずは相手をほめることです。
前回記事の「インプット→アウトプット会話」の中でも、
「そのアイデアはおもしろいね」
「理解が曖昧なところを、ちゃんと質問してくれたのはいいね」
「すぐにできるし、ユーザーも喜ぶ改善提案だね。素晴らしい!」
こんなふうに、部下が自分の意見を口にしたら、まずほめる。
「ほめ」が先。
とにかくほめる。
ほめて、ほめて、ほめる。
ほめてくれたことで、
「この人は自分のことを認めてくれているのだ」
「この人は自分のことを見てくれているのだ」
ということが伝わり、若手に安心感と信頼感が生まれます。
まずは「見てるよ」サインを出すことから実践してみてください。
※次回は、若手が「自分の言葉で話す」ことの素晴らしい効果・効能についてお伝えします。(次回は12月10日公開予定)
1974年神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。1998年伊勢丹に入社、紳士服部門配属とともに通販サイト立ち上げに参加。1999年、社員数が20人程度だったサイバーエージェントにインターネット広告の営業担当として入社し、後に営業部門統括に就任。2005年に人事本部設立とともに人事本部長に就任。2008年から取締役を6年務め、2014年より執行役員、2016年から取締役に再任。2020年より現職。著書は『強みを活かす』(PHPビジネス新書)、『サイバーエージェント流 成長するしかけ』(日本実業出版社)、『クリエイティブ人事』(光文社新書、共著)等。ビジネス系ユーチューバー「ソヤマン」として情報発信もしている。
2005年の人事本部長就任より10年で20以上の新しい人事制度や仕組みを導入、のべ3000人以上の採用に関わり、300人以上の管理職育成に携わる。毎年1000人の社員とリアルおよびリモートでの交流をおこない、10年で3500人以上の学生とマンツーマンで対話するなど、若手との接点も多い。