若手が動かない。若手が受け身で困っている。
うちの若手には、リーダー候補はいない…。
企業の人事担当者やマネジャーは、20代の若手育成に悩んでいる。
「20代の成長環境」がある企業ランキング4位
(2020年、エン・ジャパン調査)に選ばれ、
学生からも「入社したい企業」として人気が高いサイバーエージェント。
そのサイバーエージェントで、2005年の人事本部長就任より、
のべ3000人以上の採用に関わり、300人以上の管理職育成に携わっている、
書籍『若手育成の教科書』の著者でもある曽山哲人氏に、
20代の未経験マネジャーが生まれる理由について伺った。
(構成/ダイヤモンド社・和田史子、著者写真撮影/増元幸司)
なぜ300人もの20代未経験マネジャーが育っているのか
創業して約20年の東証一部上場企業であるサイバーエージェントには、グループ従業員が6000人以上います。
グループ会社は120社近くあり、300人以上の子会社などのマネジメント経験者がいます。
その中には、入社8年目、29歳で全社のトップ8人になった人間もいますし、内定者でいきなり子会社社長となった人間もいます。
当然ですが、私一人で300人もの人間を育てることなどできません。
しかし、300人が「自ら育つ」ための環境を整えることはできます。
人事担当者の集まる会などでよく聞かれることがあります。
「御社の若手が優秀なのはなぜですか?」
「20代の若手マネジャーをどのように育成しているのですか?」
「なぜ300人ものマネジャー経験者がいるのですか?」
現在、サイバーエージェントの社員は、新卒採用と中途採用で入社する割合は半々くらいで、そのほとんどが20代。そのため、若手社員が多い会社と言われます。
例えば、ヘッドハンティングの会社から子会社社長をピンポイントで採用する、といったことはありません。マネジャーになる人間は、ほぼ100%生え抜き社員です。
しかも、年齢やマネジャー経験は問いません。
入社2年目で子会社社長、20代で本社の取締役、内定者にいきなり子会社を任せる大抜擢をおこなった例もあります。
この「抜擢」こそが、若手が急成長する理由である、と言っても過言ではありません。