つまり、論文をベースに議論をしたり、解釈をしたりする作業があるわけです。こうした前提があるにもかかわらず、論文無しに情報発信する科学者(医者)は「論外」だと考えます。

 今後は一般の健康本でも「論文が引用されているかどうか」が注目される風潮が生まれれば、質の低い本が淘汰されていくのではないかと考えています。

③「正しい医学用語」で検索する

 ネットで医療情報を調べるときのコツは「正しい医学用語で調べる」です。

「足の動脈硬化」⇒ 閉塞性動脈硬化症
「目がチカチカする」⇒ 羞明(しゅうめい)、閃輝暗点(せんきあんてん)

 このように状態や症状を表す医学用語が存在します。こうした用語で検索すれば、情報の信憑性は増します。とはいえ、医学用語がわからない場合がほとんどでしょうから、まずは「〇〇(症状) 医学用語」で調べて、正確な用語を確認しましょう。

 最終的な判断は医者に聞くべきですが、医者の立場としても患者さんがヘルスリテラシーを高め、正しいところから情報を入手し、「こういった情報があったのですが、私はこの病気でしょうか?」と質問してくれるのは、本当にすばらしいことだと感じます。

 流れてくる情報をキャッチするのもいいですが、自分から積極的に取得したほうが余計なデマに惑わされなくなります。

 テレビや本で得た情報も「この話は本当に正しいのか?」と疑問を持ち、常に取捨選択する習慣をつけておきましょう。
(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)