築年数が古くても、
資産価値の高い中古マンションはある

牧野 嫌なことばかりですよね。それでも今後のマーケットで価格が落ち着く期待もあります。それはこれから首都圏で大量に相続が起こることなんですよ。

日下部 そうですね。平成30年度のマンション総合調査によると、マンション所有者の最多が60代で27%。次いで、50代24.3%、70代19.3%となっています。70歳以上だと22.2%ですね。

牧野 70歳以上にあたる物件の多くで、相続が多発していくわけですね。

日下部 先ほども話にでましたけど、完成年次が古いマンションほど70代以上の割合が高くて、昭和54年(1979年)以前のマンションの47.2%が70歳以上となっていますね。築40年を超えるマンションを相続されても、ちょっと困りそうですね。

牧野 そうなんですよ。これが東京・表参道なんかにあるとビンテージマンションって呼んでくれるんですけど、そうでないと単なるマーケットバリューが無くなった古いマンションと言われてしまう。

 やっぱり最終的には絶対、立地なんですよ。立地がいいところにないと、築40年・50年経ったときに、売れるものにならないんです。土地に価値があれば、建物の価値を失ったとしても、土地の価値で問題解決ができる。でも、中途半端な立地で建物だけ古くなると辛い。

 マンションの資産価値は皆さんすごく気にされるところですが、資産価値を気にされればされるほど、高額帯のいい立地のマンションを買わない限りマンションの資産価値が永続していくなんていうストーリーは組めないんです。

日下部 極端な例えですけど、東京・表参道から少し歩いた極小の築40~50年のリノベーションマンションと、葛飾区金町のまだ築1年経たない駅近タワーマンションで、価格が同じだった場合はどっちを買ったらいいですか?

つづく