五輪・パラリンピック選手村として活用された『晴海フラッグ』の分譲マンションが、高倍率で完売し話題となりました。首都圏では新築マンションが極めてよく売れ、価格も高騰する中、今は買い時なのか!? また、マンション価格がなぜここまで高騰しているのか? 給与所得者の平均給与が433万円と依然低水準の中、手が届かない一般層はどこに住めばいいのか…。編集部では、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)の著者でマンショントレンド評論家の日下部理絵さんと、近著『ここまで変わる!家の買い方 街の選び方』(祥伝社新書)が話題の不動産プロデュース業を展開する牧野知弘さんのお2人に、住宅購入をどう考えたらいいかについて対談していただきました(対談実施日:2021年12月3日)。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ(構成/北野啓太郎)。

平均給与433万円の人が、絶対に買ってはいけないマンションとは?Photo: Adobe Stock

中古物件は、今後、手が届く価格帯に収れんしていく

平均給与433万円の人が、絶対に買ってはいけないマンションとは?日下部 理絵(くさかべ・りえ)
住宅ジャーナリスト、マンショントレンド評論家
第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。不動産総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」代表。管理組合の相談や顧問業務、数多くの調査から既存マンションの実態に精通する。また、新築マンション情報など、マンショントレンドにも見識が深い。各種メディア、講演会・セミナーで活躍中。主な著書に、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『「負動産」マンションを「富動産」に変えるフプロ技』(小学館)、『マンション管理・修繕・建替え大全 2021』(朝日新聞出版)ほか多数。

日下部理絵(以下、日下部) 投資家が東京都心のマンションを奪い合う中、平均給与433万円の人たちはどうしたらいいですかね?

牧野知弘(以下、牧野) 都内に新築マンションを買う資格がないって言うと怒られてしまうけど、そういう状態に陥っているのが現状ですよね。

日下部 そうですよね。上がると言われている金利がまだ据え置かれていたり、住宅ローン減税があったりするので、購入意欲を持ってモデルルームをいろいろと見てまわるんだけど、そこで愕然としてしまう。しょうがないから中古物件を探すものの、築10年以内の築浅だとやっぱり高くて買えない。そんな方は多いと思います。

牧野 築年が20年とか30年ぐらいのマンションは、これからどんどん売りに出てくる可能性が高いですよ。日下部さんもご存じのように、築年が古いマンションほど比較的ご高齢の方が所有されているので、今後高齢者施設に入所したり相続が発生して手放す方が、加速度的に増えてくる。マンション相続は、これからの世の中の大きなテーマになっていきます。

 好立地で良い管理がされているマンションは、相続人である子どもが自分達で住むこともできるし、賃貸に回すことも考えられるので、まだ問題は少ない。でも、そうではないマンションは、相続人の子ども達がそこに住むかというと、そういうシナリオはあまりなくて、貸すか売るかしかないわけですよ。とにかく持っていても、管理費はかかってくるし、修繕積立金もずっと払っていかないといけない。

 そういった物件がこれから都内で出てくると、年収400万円台の人たちが何とか手が出るような価格帯に収れんしていくんじゃないかな、というのが僕の見立てです。