そもそも「住宅ローン減税」は、いくらお金が戻ってくるもの?
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住宅ローンを組んでマイホームを買う場合、いくつかの要件を満たすと、年末の住宅ローン残高に応じて納めた所得税と住民税の一部が戻ってくる「住宅ローン減税」という制度があります。
現行の住宅ローン減税は2013年末の入居分までで期限が切れるのですが、現在、政府は、消費税増税後の住宅購入の冷え込みを抑えるため、2014年以降の入居を対象とした大型の住宅ローン減税を検討中です。
では次に、住宅ローン減税の効果はどれくらいなのかを見てみましょう。
現行制度では、住宅ローン減税を受けられるのは「最長10年間」で、戻ってくるお金は「年末時点の住宅ローン残高の1%」となっています。ただし、上限額は2012年入居分で住宅ローン残高3000万円(年間30万円)、2013年入居分で住宅ローン残高2000万円(年間20万円)です。
すると「2012年に入居した場合は、30万円×10年間で最大300万円の減税になるのか」と考える人が少なくありませんが、実際にはそこまでの効果は出ないケースが大半です。
住宅ローン減税は「納めた税金が戻ってくる」制度ですから、もともと納める税金が少なければ、戻ってくる額も少なくなります。
たとえば年収500万円、妻が専業主婦で小学生の子どもが2人いる家庭の場合、減税の対象となる税金(所得税と住民税の一部)は20万円程度。上限が30万円だとしても、実際に戻ってくるのは約20万円ということです。
今後の大型住宅ローン減税、
ポイントは「金額」よりも「期間」
2014年以降の住宅ローン減税は、拡充が予想されるとはいえ、どのような内容になるかはまだわかりません。例年、12月には来年度の税制改正大綱が発表されるのですが、今年は衆院解散により政府税制調査会も解散しており、税制改正大綱が出るのは年明けになる予定です。
「マイホーム購入を考えていて住宅ローン減税の行方が気になる」という人は、今後のニュースなどで内容をウォッチしていきましょう。
その際、ポイントとなるのは「減税期間」です。ひとくちに「住宅ローン減税の拡充」といっても、たとえば「ローン残高の上限が5000万円になる」といった内容では、実質的に恩恵を受けられる人は限られます。5000万円も借り入れる人は多くありませんし、先に見たように、そもそも減税の対象となる納税額が少なければ、毎年の減税額の上限がアップしても意味がありません。
しかし、もし減税期間が10年から15年へというように延長されれば、戻ってくるお金の総額が増え、住宅ローン減税拡充の恩恵を受けられる人が多くなると考えられます。
いずれにしても、住宅ローン減税拡充目的、さらに今までの前例を考えれば、今後の制度改正により、消費税増税分をカバーできるくらいのメリットを享受できる可能性があります。「消費税増税前に急いで買ったほうが負担が少ない」とは言い切れません。