ひろゆきが「聞く力なんて100%ムダだ」と語る驚きのワケひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

「聞く力」なんてありませんけど?

 みなさんは、「聞く力」を持っていますか?

 よく、「ひろゆきさんは聞く力を持っていますよね」「どうやって身に付けたんですか?」と聞かれます。

 でも、みなさんが思う「聞く力」と、僕が考えている「聞く力」って、根本的に異なるんですよね。

 だって、僕の場合、本質的なこととか失礼な質問を相手にぶつけて「シーン」としたり、現場の空気が明らかに悪くなったり、周りが慌ててフォローしている様をフランスから眺めて、ニヤニヤしているだけですからね。

 そういう「聞く力」を身に付けたいのであれば、その秘訣を教えますけど、おすすめはしません(笑)。

「聞き分けのいい人」は価値を生み出さない

 そもそも、みなさんが言っている「聞く力」というのは、相手をその気にさせたり、気持ち良くさせたりして、どんどん話を引っ張っていくものだと思います。

 でも、それって、言わば「空気を読んで相手のペースに合わせること」ですよね。

 そのスタンスを貫く限り、ただの聞き分けのいい人で終わります。

 起業家の人とか、偉いポジションの人って、空気を読まないんですよね。「こんなことを言ったら、相手はどう思うだろう?」という想像力を働かせません。

 それがエスカレートすると、ただ偉そうにする政治家みたいになっちゃうんですが、ハラスメントとか炎上にならないマナーさえ守っておけば、じつは空気を壊すような極論とかそもそも論を語る人のほうが価値を生み出すんですよ。

「責任をとる」か、「聞き分けよく生きる」か

 誰が言い出したかわからないようなことに全員が聞き分けよく賛同したり、責任者不在でどんどん「いいね! いいね!」で話が進んでいくから、勝てもしない戦争に突き進んだり、儲かるはずもない焼肉屋を始めたりするんですよね。

 ということで、「責任をとる代わりに空気を読まずに話ができる人」と「責任をとらない代わりに、それをサポートする聞き分けのいい人」という構図で物事は進んでいくと思うので、「聞く力」なんて100%ムダだと思ったりするんですが、みなさんはどちらのタイプとして生きていきたいですかね?

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、40万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。