東京・神奈川「中学受験」2月2日以降の最新状況【2022年入試版】難関校で珍しく2022年も増加基調にある豊島岡女子学園中学校・高等学校(東京・豊島区)

  これまで2月1日の東京と神奈川入試について、午前午後に分けて取り上げた。今回は、2月2日~6日の注目の入試について見ていく。新型コロナの爆発的な感染拡大は、ここ数年来強まっていた短期決戦志向をさらに強める方向に作用するものと見られ、2日午後と3日の入試に人気が集まりそうだ。(ダイヤモンド社教育情報)

2日・3日が初回入試となる学校の人気

 最終的に2月1日の受験者数がどのようになっているか、現時点では判然としない。1日午後入試は全体的に増加傾向と思われる。ある程度状況が見えてきた段階で総括したい。4~5校に出願する受験生が多いので、1日に1校か2校の入試を受けても、2日以降でまだ3つは出願先を考えることになる。すでに出願を締め切った学校もあるが、2日も当日朝や昼過ぎまで受け付けている入試が過半数を占めており、これもまたWeb出願ならではの現象といえる。

 今回は2日以降の入試について、1月30日までに判明した状況を基に考える。各校の志願者数が膨らむため、7枚の表には21年の志願者数が300人以上の入試を載せた。前回までとは異なり、四谷大塚の合不合80偏差値による難度では分けずに、それぞれ志願者数が多い順に並べてある。解説では、難関校(偏差値65以上)、上位校(同64~60)、中堅校(同50台)、中位校(同40台~30台後半)とした。偏差値の付かない入試としては、模試でその入試を志望する受験生の数が少ない場合や学力判定が困難な場合が主に当てはまる。

 現時点で志願者数が確定している入試は数えるほどだ。そこで、12月実施の四模試(四谷大塚、日能研、首都圏模試、サピックス)での志望者合計が200人以上いて、前年比で2割以上増やした入試の学校名を男女別にまずは列挙しておこう。

 2日午前は、男子が神奈川大学附属暁星青稜、日本大学第一、獨協、日本大学第三、女子が実践女子学園、跡見学園、渋谷教育学園渋谷、青稜、三輪田学園となっている。2日午後は、男子が東京農業大学第一、女子が実践女子、大妻中野、カリタス女子である。

 3日午前は、男子が東海大学相模、関東学院、女子がカリタス女子、関東学院、東京女学館、大妻中野、日大第三で、3日午後は、男子が東京都市大学等々力、帝京大学、暁星、女子が清泉女学院、横浜女学院、実践女子となっている。

 4日午前は、男子が神奈川大附属、獨協、女子が山脇学園、4日午後は女子が実践女子、捜真女学校、5日午前の女子が跡見、6日午前の男子が山手学院といった状況である。

 まずは、2日と3日が初回の入試となる学校から見ていこう。2日午前ダントツの人気難関校が、22年から高校入試をやめて完全中高一貫化する豊島岡女子学園(1回)である。東京女子御三家受験生の定番の併願先で、ここを本命校と狙う受験生も多いため、21年には1100人を超えていた。22年は全般に好調で、いずれの回も前年を上回るペースである。

 2日に慶應義塾湘南藤沢(1次)、3日に慶應義塾中等部(1次)がある。どちらもその2日後に2次試験があり、さらに半分に絞り込まれる。22年の志願状況は、湘南藤沢が544人で、中等部は1487人となった。例年、湘南藤沢の実倍率は2倍半ほど、志願者は500人を超え、女子の偏差値は神奈川の最高峰となっている。四模試では女子が微増だ。中等部は、3日午前では横浜男子校の浅野に次ぐ1500人ほどを集める。四模試では男子微減、女子1割減だった。
 
 次ページの表1には、21年に500人以上の志願者を集めた2日午前の入試を一覧した。