中学2年から株ひと筋! 株式投資歴30年以上のベテラン専業投資家、かぶ1000が『賢明なる個人投資家への道』を著した。中学時代から体育のジャージ姿で地元の証券会社に通い詰め、中高年の投資家にかわいがられ、バブル紳士にお金儲けのイロハを教えてもらった。中学3年生で300万円、高校1年で1000万円、高校2年生で1500万円へと株式資産を増やす。会計系の専門学校卒業後、証券会社の就職の誘いを断って専業投資家の道へ。2011年に“億り人”になると、2015年に3億円、2019年に4億円を突破。アルバイト経験さえない根っからの個人投資家が、学校では絶対に教えてくれないお金の知識と増やし方を徹底指南する!

【就職したことがないのに株式投資で4.5億円】「会社のオーナー」になるという発想とは?

株式は資本主義に参加するチケット

改めていうまでもなく、日本は資本主義の国です。では、「資本主義」とは何か?

難しい話を脇に置くと、資本家が中心となって経済が回り、結果的に資本家が儲かる仕組みが資本主義です。

資本家とは、企業に資金(資本)を提供する人のことです。

日本が資本主義の国である以上、日本に生まれ育った人は資本主義の恩恵を受けることができます。つまり、誰でも資本家になり、儲ける自由があるのです。

しかし、単に日本に生まれ育ったというだけでは、資本主義の恩恵は十分に受けられません。資本家になることで、資本主義の恩恵を大きくすることができます。

資本家になる方法はいろいろとありますが、もっとも簡単なのは企業の株式を保有することなのです。

私が株式投資を始めた頃は、株式を買うと「株券」が送られてきました。2009年以降、株券は廃止されて電子化されましたが、いずれにしても株式は資本主義に参加するためのチケットのようなものだと私は考えています。

株式を保有することによって初めて、資本主義社会の一翼を担い、その恩恵を得ることができると思っているのです。

資本主義を支えているのは企業ですが、日本の株式市場には3800社を超える企業が上場しています。

企業は株式公開を通じてたくさんの資本を集め、それを元手にそれぞれの業界で意欲的にビジネスを展開して収益を上げています。

もし上場企業で、これぞと思った企業があれば、その企業の株式を買って株主になることで、その企業の所有者(パーシャル・オーナー)になることができるのです。

私は本書執筆時点で、三菱地所(8802)の株式を2万株所有しています。同社が発行している約14億株のごく一部を持っているにすぎませんが、それでも上京する際、東京・丸の内のビル群を目のあたりにするたび(前述のように三菱地所は「丸の内の大家さん」といわれるほど、丸の内の多くの不動産を所有しています)、「あのビルの窓ガラス1枚分くらいは、自分のものかもしれないなぁ」と思っています(笑)。

高級外車やタワーマンションの一室を所有することに満足感を得ている人もいるでしょうが、一部とはいえ企業を所有しているという喜びは、私にとって何ものにも代えがたい満足感と充足感があります。

加えて、配当金や株主優待といった権利が得られたら、その満足感と充足感はより強くなります。さらに株主総会に出席したら、自分もオーナーの一員なのだという実感がよりいっそう高まります。

何より日本企業の株式を買って株主になるということは、資本主義を担う資本家の1人として日本という国の活性化に貢献することを意味します。

私は専業投資家ですが、読者のみなさんの多くは会社員などの兼業投資家のほうが多いと思います。そうした兼業投資家は、企業に雇われて給料をもらう労働者でありながら、株式投資を通して企業のオーナー(資本家)になることもできるのです。

他人から使われるだけの労働者でいるよりも、労働者兼資本家であるという立場のほうが、より豊かな気持ちになるのではないでしょうか。

もし自分が働いている企業に成長が期待できるのであれば、従業員持ち株会を通じて自社株を買うのもよいでしょう。

自分が勤める会社のオーナーだと思えたら、働くモチベーションが高まり、会社員としての成長にもつながる可能性があると思います。