大量相続時代を見据えた、
東京23区の住まい選びとは?

日下部 それでも、やっぱり東京23区に住みたい、という人もいるでしょうね。

牧野 アドレスをとるっていうね。

日下部 そういう人はどうしたらいいですかね。ちょっと駅から離れた物件を買うとか、沿線をずらすとか、そういう話になってきますかね?

牧野 東京都心で家を安く買うというのは、今はなかなか難しいです。だけど、これからの大量相続時代を見据えると、大田区、世田谷区、練馬区、杉並区は売り物件や賃貸物件がいっぱい出ますよ。ここに住んでいる人たちって80代、あるいは90代の人も多いので、この地域はこれから相続ラッシュですね。

日下部 そう考えると、今後たくさん売りに出てくるから高いうちに売った方が良い、またその逆で安くなるのを待って買ったほうがいいってことですよね。特にそのエリアでは。

牧野 早く相続が起こったほうがいいなんて言ったら不謹慎だけど、相続って絶対に起きることなので、今まではちょっと考えにくいような世田谷区とか杉並区とか、こういったところで売り物件や賃貸物件がどんどん増えてくるというのは、想像がつきます。

 前々回、「東京都八王子市の賃貸戸建てが結構いいね」という話をしたけど、同じようなことが都区内でも起きて、賃貸戸建てがどんどん出てくる可能性が高いです。僕の友人が、千石(東京都文京区)で賃貸戸建てに住んでいます。お子さんが3人いらっしゃるんだけど、約120平米の賃貸戸建てが22万円って言ったかな。それくらいの家賃で借りられているんですよ。

日下部 それは安いですね。

牧野 「どういう家なの?」って聞いたら、やっぱり相続物件。マンションより快適だって。120平米あったらちゃんとした広さのお家で、子どもが3人いても全然OK。「こうした相続物件は今後たくさん出てくると思うので狙い目だよね」って、その彼とたまたま街で出会ってそんな立ち話をしました。ああ、なるほど、と思っちゃいましたね。

日下部 住まいの選び方は、今後多岐に渡りそうですね。テレワークもあるので可能な人は2拠点生活をしたり、地方の戸建てを買ったり、借りたり。どうしても都心がいい人は、程度の良い中古マンションを買うとか、相続物件を見据えるとかですかね。

つづく