「型」を共有すれば、
「会議の質」は上がる

 私がチーム内で共有したサマリー・フォーマットは下図のとおりです。

「決断力のあるリーダー」が会議で実行している“小さなルール”とは?部署内で共有していたサマリー・フォーマット
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 案件によって項目に若干の変動はあるものの、このサマリー・フォーマット1枚でほぼすべての案件をカバーすることができました。そして、この「型」を全メンバーに使ってもらうことで、簡潔なプレゼンとディスカッションを実現することができたのです。

 以下、このサマリー・フォーマットのポイントをご説明しましょう。

 まず第一に、提案書は箇条書きが基本。業種によってはやむを得ないこともあるでしょうが、基本的に提案書は文章で書くべきではありません。文章で書かれた資料は要点がわかりにくいうえに、作成に膨大な時間がかかるからです。このサマリーのように、箇条書きでまとめるのが最も効率的なのです。

 第二に、フォーマット化することで、管理職はもちろんほかのメンバーが一瞬で内容を把握することができるようになります。

 想像してください。各メンバーが思い思いの提案書をつくって会議にかければ、「どこに何が書いてあるか?」をいちいち探さなければなりません。それが、すでにムダなのです。

 ところが、統一フォーマットを使えば、一瞬で「どこに何がかいてあるのか?」がわかりますから、このムダが消えてなくなります。提案内容の概要をほんの数秒で把握でき、真っ直ぐディスカッションへと移行できるのです。統一フォーマットは、会議のストレスを軽減するとともに、時短に絶大な効果を発揮してくれるのです。

 第三に、メンバーの提案内容に“抜け漏れ”がなくなるという効果があります。フォーマット化されているということは、メンバーは項目のすべてを“埋める”必要があるということ。このフォーマットには、「課題」「解決策」「効果予測」「スケジュール」「コスト」など、意思決定を引き出すために不可欠な項目が網羅されていますから、その項目を埋めることによって“抜け漏れ”が必然的になくなります。

 これによって、メンバーの提案書作成が効率化するとともに、提案書の差し戻しなど管理職の手間も省けるというメリットが生まれるのです。

 なお、このフォーマットは、A案、B案を提案するものになっています。ここでは、提案者がA案を推す形にしていますが、このように比較検討できるようにしたうえで、「なぜ、A案が優れているのか?」を説明することによって、より説得力のあるプレゼンができるため、私はこのような「型」を推奨しています。