感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />時間を楽しく過ごすためのたった1つの考え方イラスト:カツヤマケイコ

歳をとって1年が早く感じるようになったら

きょうのひとことは、
「時間をコントロールしよう」

時間というのは、物理的には誰にとっても同じです。

1時間の長さは、誰にとっても同じ1時間です。

しかし、その人が感じる主観的な時間の経ち方というのは、同じではありません。

忙しくしていると1時間はあっという間に過ぎ去りますが、暇だと長く感じたりします。

また、よくいわれるように若い頃は1年が長く感じられますが、齢をとってくると1年があっという間に過ぎ去ってしまう感じがします。

年末になると「今年も、あっという間だったな」と、毎年のように感じてしまったりするのです。

というのも、主観的に感じる時間の長さというのは、これまで生きてきた時間(年月)に対する割合のような面があるからです。

10歳の子どもにとっての1年は、これまで生きてきた時間の1/10ですが、50歳の大人にとっての1年は、これまでの時間の1/50にすぎませんから、子どもに比べて時の流れを早く感じられる。そういう考え方です。

また、時間があっという間に過ぎ去ると感じるのは、同じことのくり返しの日々が続くということも関連します。

子どもの頃は、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学など、数年ごとに環境が変化しますし、学年がかわってクラス替えをしたり席替えをしたり、しょっちゅうテストがあったり行事があったりと、いろんな変化を味わうわけです。

しかし、大人になって就職すると、平日は自宅と職場の往復で、週末は自宅でゴロゴロしたりと、かわり映えしない日々を送るようになったりもします。

子育て中は毎日が慌ただしいので、時間があっという間に過ぎるかもしれませんが、子どもが大きくなって手がかからなくなると、それまで当然のように生じていた日々の変化を感じられなくなりがちです。

家庭でも職場でも、まわりの顔ぶれがいつも同じで、あまり変化が生じない環境で過ごしていると、時が経つのが早く感じられるんですね。

すると、「もっと、時間を大事にしたい」という気持ちが湧いてきます。そう思ったなら、ちょっとした変化を自分に与えてあげることがポイントになります。

SNSや知人の紹介などを通じて新たな人間関係をつくってみるとか、ウォーキングやヨガなど新しいことをはじめてみるとか、なにかイベントを入れてみるとか、日々の暮らしにちょっとしたメリハリをつけてみるのです。

一方で、楽しい時間は早く過ぎ去りますが、待ち時間は長く感じがちでもあります。

そう考えると、待ち時間を楽しい時間にするという工夫も大切ですし、あっという間に終わってしまう楽しい時間にも工夫する余地があります。

これは考え方のたとえですが、1週間の旅行をするとします。

1週間まとまった旅行するよりは、1泊2日の旅行を数回に分けて、ちょっと期間を空けながら、毎回楽しみにしながら行ったほうが、その前段階も含めて、きっと時間をより楽しく感じられると思うんです。

こういう感じで、自分の時間へのアプローチをかえてみたり、予定の組み方をかえてみることによって、主観的な時間のとらえかたを主体的に調整できると思うのです。

せっかくの時間を充実して楽しく感じるように、ぜひ工夫してみてください。

きょうのひとことは、
「時間をコントロールしよう」
でした。

参考になったかしら?