現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
経営は「ゲーム」である
「ひろゆき=YouTuber」として、すっかり認知されてしまったのですが、僕は会社を経営しています。
経営をする上でうまくいかせるためには、ビジネスを「ゲーム」として捉える必要があります。
たとえば、個人的には、会社が赤字になろうが、特定の誰かが異常に高い給料をもらっていようが、僕自身、別に困りません。
でも、経営となると、個人とは切り離された「ゲーム」として捉えるので、「黒字に持っていったほうがいいよね」「能力以上の給料は払えないよね」というルールを守るようにします。
というように、いかにビジネスを個人的な感情から切り離せるかがポイントなので、その話をしようと思います。
経営には「向き不向き」がある
たとえば、親しい友達から「困っているんだよね」と言われると、助けたくなりますよね?
でも、会社に飛び込み営業をしてきた人に「困っているんですが……」と言われても、いちいち対応なんてしないでしょう。
そうやって人間関係を使い分けていると思います。そして、その延長線上に、「多くの人の上に立つスキル」があると思うんですよね。
僕の場合、経営をしている以上、「リストラ」をすることがたまにあります。
好きか嫌いかと言われると、苦手ではあります。だって、本当は雇ったままでいたいけど、ルール上、仕方なくやるからです。
リストラすることに慣れてしまって、何の感情も起こらないような「サイコパス」には経営が向いているんだと思うんですよね。
ビジネスと戦争の共通点
サイコパスな経営者は、「無能な人」をあっさり切り捨てることができます。
それは、戦争を起こす政治家にも通底しています。
世の中には、「戦争ゲーム」や「戦争マンガ」はたくさんあります。
将棋だって、見ようによっては戦争ゲームです。「歩」を犠牲にして「飛車」を守る、みたいな戦略があります。人気マンガ「キングダム」も中国の三国志の話です。
そして、「誰も犠牲にすることができないトップ」は、ビジネスでも戦争でも負けてしまいます。1人を大事にすることで全員が不幸になってしまうような結末が起こり得てしまうんですよね。
モラルや歴史では「変わらない」のか?
というように、ビジネスと戦争には共通点があるのですが、その線引きはちゃんとしないといけない面もあります。
人の「生き死に」を犠牲にしないモラルが必要ですよね。
そのためには、過去の歴史からの学びが大事だったりするのですが、残念ながら、時代の記憶は薄れてしまいます。
ということで、個人的な感情とビジネスは切り離されているという話でした。それを踏まえた上で、現在の戦争問題について考えないといけないと思うんですよね。だって、誰だって「戦争は嫌だ」「死にたくない」という思いは一緒ですからね。それでも、戦争は起きるのを、いま目の当たりにしていると思います。このテーマについては、またあらためて深く語ろうと思います。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。