中学受験塾を選ぶ上で、合格実績よりも重視すべきポイントがある。その塾の性格(指導方針)と、子どものタイプや家庭の状況との相性だ。塾によって授業のスピードや、金銭面以外の親の負担度はバラバラ。特集『わが子に最強の中高一貫校&小学校&塾』(全26回)の#17では、塾と子どもの相性から見た東西の主要塾の探し方に加え、増加する低学年生向けの塾選びのこつを塾選びのプロが伝授する。
合格実績で選ばない
失敗しない塾選びのポイント
今や低年齢からの塾選びが鍵となる中学受験。あまた存在する塾の中から、親として何を判断材料にわが子が通う塾を選べばよいのだろうか。
通常、子どもの塾を選ぶときにまず重視するのは、志望校への合格実績だろう。しかし、その合格実績だけにとらわれると、最終的に塾選びは失敗してしまうことになるかもしれない。
例えば、有名校への進学実績が高い塾を選んだ場合、その塾の特徴が実は子どもの基礎学力、スピード感、性格などに合わずに、無理な学習を重ねて疲弊してしまったりするケースが少なくない。
「だからこそ、塾選びには子どもと塾の相性が最も重要」と話すのは、中学受験の「塾ソムリエ」として知られる、中学受験のプロ家庭教師集団 名門指導会の西村則康代表だ。
本特集#20『【中学受験2023】首都圏24塾「合格力」ランキング!4位グノーブル、2位サピックス、1位は?』では、首都圏と関西、そして東海地方における主要中学受験の合格実績から見た塾選びを解説するが、ここでは、ある意味では合格実績よりも重視すべき、わが子の「性格(タイプ)」と東西の15塾との相性が一目で分かる、二つの相関図を作成した。図には、時間に余裕のない共働き家庭が増えるにつれて塾選びで重視されつつある、「親の協力度」から見た塾の特徴も盛り込んである。
また、大手塾が実施する模試の合格判定も「受験者の学力によって精度にばらつきがある」(西村氏)。そこで志望校のレベル(偏差値)に応じて、どの塾の模試を受ければ、より正確に子どもの立ち位置を判定できるのか分かる比較図も掲載した。
さらに、昨今激化する中学受験の流れを受けて、小学1年生など低学年のうちから中学受験塾に入塾させる家庭が増えているが、低学年であればあるほど、塾選びを誤ると子どもの学習意欲に致命的な悪影響を与えかねない。そこで低学年ならではの塾の見分け方チェックリストも作成した。
低学年から高学年までカバーできる、合格実績以外での塾選びに役立ててほしい。