優れたやり方

「大きい、多い、早い、安い、高い」など、世の中に良いものとして受け入れられるやり方を「優れたやり方」と定義します。

別の言い方をすれば「優等生案」です。

ただし、これは替えがきく、陳腐化するというネガティブな側面も露呈しています。

私がビジネスに関わった20年においては、次の五つのやり方しか評価されませんでした。

① 早くやる
② コストを低くする
③ 飛び抜けた成果を出す
④ 成果が出なくても規格外な量をやる
⑤ 新しいこと、誰もやっていないことをやる

早くやる、コストを低くする、飛び抜けた成果を出す、成果が出なくても規格外な量をやるの四つは、優れたやり方の代表格と言えます。しかし、これは誰もがやるので、相対的な比較でしか評価されません。

実際、早さ、コスト、成果、量は定量で測れます。定量で測れば、その差分だけ優れていることが明白です。しかし、定量化できるということは市場が特定されて競合が数多く存在し、陳腐化するというネガティブな側面につながります。

この優れたやり方で満足している人が極めて多いと感じます。

ほとんどの人が、優れたやり方を教えてもらったり、優れたやり方をしている人の真似をしたりして、自分に取り入れようとします。ところが、自分の強みや夢中になれることと一致しないため、なかなかうまくいきません。

優れたやり方で結果を出している人は、その人の個性や強みも生かしています。個性や強みが違う人が、同じやり方になるわけがありません。

だからこそ、他の二つのやり方と組み合わせる必要があるのです。