営業部門と管理部門の対立を生む「3つのギャップ」、デキる上司はどう解決する?Photo:PIXTA

自分の組織内では、考え方も話もすぐにまとまるのに、他部門と対話する場面になると話がかみ合わないというケースが実に多い。この問題は、両組織の「三つのギャップ」に原因がある。言い換えれば、他部門を巻き込むことができている管理職がこのギャップを解決するスキルを発揮している。営業部門と管理部門の実例をもとに紹介する。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

組織間の連携が
うまくいかないのはなぜか

 営業部門と管理部門の対立問題が解消しない。「話が合わない」、それどころか「話がはずまない」、そもそも「考え方が合わない」という声が絶えない。このように申し上げると、ビジネスの拡大を目指す営業部門と、ビジネスの運用に取り組む管理部門とでは組織の目的が異なるので、両者がかみ合わないのは当たり前だという見解に接する。

 しかし、私はそうは思わない。確かに組織の目的は異なるが、互いのメンバーが説明を理解し合いながら対話を展開し、相互の考え方をかみ合わせることは可能だ。そのためには、まず両者にどの程度のギャップがあるかを客観視することが必要である。なぜなら、多くの場合、漠然とした印象で、「話が合わない」と決めつけていることが多いからだ。

「話が合わない」「話がはずまない」「考え方が合わない」という3つの観点で、営業部門と管理部門のギャップを捉えると、両組織それぞれの課題が見えてくる。これらのギャップを解消することで、営業部門と管理部門双方のエンゲージメントを高めることができる。