認知症予防のために心がけることは?

自分たちで日頃からできる認知症予防吉野 邦昭(よしの・くにあき)
脳力開発研究家
エリートの一部の人達に伝わる記憶法を、9歳から91歳のお年寄りまで12万人以上に伝授。TOEIC対策講座では、スコアが400~600点と低迷していた受験生に1日200~300個ペースで苦労なく単語を暗記させ9週間で150点アップ、また、合格率約35%の国家試験を受験する「落ちこぼれ」達に、試験1週間前のたった1日の直前対策講座で89%の合格率を達成。第一作目の著書『イラスト記憶法で脳に刷り込む英単語1880』は現在15万部突破、昨夏発売された『1日1分見るだけで記憶力がよくなるすごい写真』も3万部突破。「一人の落ちこぼれもつくらない」というモットーを胸に、京都出身らしい優しさと関西人のオモシロさを併せ持つ講義は、元技術者らしく論理的で「まるで方程式を解くように明解」と好評。NHK『Rの法則』『沼にハマって聞いてみた』、フジテレビの『めざましテレビ』などメディア出演多数。

――記憶力アップ、認知症予防のために、日頃どんなことをやるのがいいのでしょうか?

吉野 「感情を拾う」ことがポイント。「今、私の脳は何を感じているだろう」と、もう一人の自分を擬人化するような感覚でしょうか。「ちょっと寒いな」とか、ごはんを食べているときに「うわー、おいしいな」とか、怒りも含めて自分の感情を知ることが大事なんですね。

 私は理系だったので、以前は事実しか追いかけていなかったのですが、感情を追いかけるようになったら脳が活性化しました。これは記憶のメカニズムとしてよくいわれていることですが、記憶は「海馬」という場所と密接な関係があり、そこにいちばん影響を及ぼすのが「扁桃体」です。感情が豊かになると扁桃体が動き、扁桃体を通じて海馬が活性化するんですね。

 認知症と関係があるのも海馬なので、感情を拾って海馬を刺激してあげることによって、いつまでも記憶力が落ちなくなるというふうにもつながっていくと思うんですよ。

山中 脳は、本当に筋肉と同じで、年齢に関係なく、使い続けていれば元気でいられると思っています。いつまでも元気でいるためには、常に新しいこと、知らないことを知るという意識を持つことをおすすめしたいですね。

 毎日1冊本を読むでも毎日1本映画を見るでも何でもいいんです。そして、ちゃんとアウトプットをすることが大切。読みっぱなし、知りっぱなしではなく、得た知識を外に出すことで、脳はまた動き出します。新しいことにチャレンジして、アウトプットをすることは、認知症予防にはとても効果があると思います。