「優れたやり方」はコミュニティで補う

平尾 すごくピュアで、さらに吸収力もあるから。車輪の再発明にならず、うまく成功できるのはすごいと思います。

ペイメントとコマースは「インターネットビジネスのキングとクイーン」と言われるんですけれど、これを20代の若者がいきなり一緒にやっちゃう。そしてシナジーも出す。そこに大人も巻き込んで行く。

これは本当すごいと思います。普通はできないですよね?

鶴岡 やはりいいコミュニティに入れたのが全てですよね。

採用とかファイナンスとか提携とかも含めて、周りにいい大人がいてくれたから、結果としてすごい飛び級ができたんだと思います。

やっぱり学生起業って大変じゃないですか? 信頼もないし、お金もない。

でも時間はいっぱいあるし、やる気はあるし、元気もある。

常識がないから、勝手にこのベン図の逆転案になりがちなんだと思います。知識が無いが故に、「別のやり方」に極めて寄って行っちゃうんですよね。

たとえば業界の人に怒られるような、「絶対にやっちゃいけないやり方」をやっちゃったりして。

ただ、「別のやり方」ができるのは学生起業の強みだと思います。

大衆的なやり方を知らないまま「シンプルにこれでよくない?」で、できるので。時間にいっぱいレバレッジをかけられるなど、学生ならではのメリットをどう別解に近づけるのかが大事です。

僕の場合「優れたやり方」は周りのコミュニティに補完してもらえたんだと思います。助けてもらえたというか。

すごく恵まれた環境にいましたけど、それ無しで生きていくのが当時は難しかったんです。今ほどベンチャーのエコシステムができていませんし、こんなにいっぱいVCもなければ、ファイナンスもできなかった。

学生起業家が生きていく道としては、いいコミュニティに入るしかありませんでした。

その中で、起業家としての視座も保ってもらえましたね。

総じてコミュニティに助けてもらったなという気がします。