『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

数学を楽しみながら独学できる本、究極の5冊Photo: Adobe Stock

[質問]
 はじめまして。

 私は今高校3年生で、国立大学を目指して勉強しています。

 生物系に興味があるので理系を選択し、受験勉強を進めているのですが、数学がどうも他の教科に比べて身が入らず、思い悩んでいます。数学を面白いと思えたらな、と思うのですが、どうも無味乾燥としたように感じ、楽しめません。受験勉強なので楽しむなど考えずただやるしかないのだろう、とも思いますが、楽しんで学べたらもっと捗るだろうし、これから先の学びも深まっていくのではないかと思います。

 数学を楽しめる契機になるような本や、考え方などがあれば教えていただけないでしょうか。。

数学は「沼オブ・ザ沼」です

[読書猿の回答]
 これはもう一杯あります。ありますが、数学は沼オブ・ザ沼なので、紹介しすぎて受験そっちのけになることを恐れます。なので最低限のリストをどうぞ。

 定番ですが『数学ガール』シリーズは、『数学ガールの秘密ノート』からがおすすめです。

 受験数学そのものは森 毅『数学受験術指南』を読んでおきましょう。

 数学が無味乾燥に見えるなら、数学史がおすすめです。

 安藤洋美『高校数学史演習』

 森 毅、竹内 啓『数学の世界―それは現代人に何を意味するか』(私が解説を書いた新版がもうすぐ出ます)

 ピックオーバー『ビジュアル 数学全史――人類誕生前から多次元宇宙まで』

 ピックオーバーは間違いも多いんですが(面白い解釈を取る傾向がある)、気づいたところは次の記事↓で訂正をいれてます。
数学の歴史2万年+αを250のマイルストーンでまとめてみた

 あと数学では、こちらの記事もどうぞ↓
問:数学を何故学ぶか? 答:言葉で伝えきれないものを伝えるため/数学となら、できること/図書館となら、できること番外編