「腸内環境の変化により、花粉、動物、食物、ハウスダスト、家ダニなど、アレルギーの発症リスクが上がると考えられます。そのほか、加工食品の取りすぎ、食物繊維不足なども、アレルギーの発症リスクを高める要素です」

 一方、コロナ禍であっても、アレルギーの改善を目指す対策がある。

「コロナ禍で在宅時間が増えた方が多いと思います。そのなかで自炊するようになり食事の栄養バランスを見直した人、テレワークとなって通勤時間が減り睡眠時間が増えた人などは、アレルギーのリスクの低下が期待されます」

 アレルギーの発症リスク、重症化リスクには生活習慣も関わる。改善につながる習慣もあれば、その逆もあるわけだ。それくらい日常のさまざまな行動がアレルギーリスクに対して影響すると理解しておけば、リスクを下げる生活を送ろうと思えるだろう。

腸内環境の乱れは
うつや不眠症にも関わりが

 アレルギーの発症リスクのほかにも、腸内環境の変化が招く疾患は数多い。

「うつ、不眠症、PTSD(心的外傷後ストレス障害)も、コロナ禍で増加傾向にあります。これらはどれも脳の状態です。『腸脳相関』といって、腸と脳の関係はとても密接で、腸内環境が乱れれば、脳にも影響します」

 ほかにも、コロナ禍で患者数が増えている疾患はまだまだある。「不安障害」や「不安神経症」だ。

「不安障害や不安神経症では、外へ出るときには帽子、メガネ、手袋、二重マスクを着用し、近所へのゴミ出しなどで人と会うことにも恐怖を感じるなど、日常生活に支障を来すほどの不安状態に陥ってしまいます」

 極度の不安状態で、消毒や除菌を過剰に行ったり、人や外界との接触も極端に制限したりすると、結果、微生物との交流の機会が減ってしまう。

 不安障害や不安神経症を抱える人のなかには「強力な除菌剤のほうが安心できる」という思いから、日常的に「次亜塩素酸ナトリウム」を用いて手指の消毒を行う人もいるが、伊藤氏はこの行為に警鐘を鳴らす。

「次亜塩素酸ナトリウムには『細胞傷害性』があり、触れれば皮膚の表面の細胞が傷つきます。気化した次亜塩素酸ナトリウムが皮膚や鼻から体内に入り、腸内環境を乱す恐れも。免疫を下げる1つの要因になってしまうのです」

 吸い込むという点では、除菌・消臭効果のある“スプレー型の除菌剤”も、使い方には注意が必要だという。

「除菌・消臭スプレーには次亜塩素酸ナトリウムのような細胞傷害性はありません。しかし、大量に噴霧すると体内に吸い込みやすくなり、腸内環境に影響を及ぼす可能性が考えられます」