贈与税改正のセミナーに2000人
23年度税制改正大綱が焦点に

「顧客にネガティブな情報でも、他社より早く伝えるインパクトはある。大和証券は詳しいと思われないといけない」(担当者)

 チームは早急に、社内約190人の相続専門部隊への研修を始めたほか、ルールが変われば税負担がどうなるかという試算ツールなどの開発に乗り出した。

 そして21年2月ごろから、相続専門部隊が顧客に情報提供を始めたという。改正でルールがどうなるかまでは断言できないため、「贈与税に関する議論があります」と状況説明にとどめたものの、「相当な驚きを持って受け止められた」(担当者)。

 そして21年8月、贈与税の改正をテーマにしたオンラインセミナーを開催。すると、出席者が2000人を超えたのだ。参加者の84%が60代以上。新型コロナウイルスの感染拡大前にホテルなどで開催したセミナーでこれほど集客できたことはない。

 オンラインセミナーでは、外国株をテーマにした際の約2000人が最高記録だったが、贈与税の改正はそれに匹敵する集客力を持っていたのだ。

 先んじて顧客への情報提供に動いた恩恵はあった。複数の顧客から、「大和証券は詳しいから、そちらの口座に資産を移し替える」という反応があったという。

 早ければ22年4月にルールが改正される可能性もあったため、関係者の注目を集めた22年度税制改正大綱。そこで相続税と贈与税の一体化は「本格的な検討を進める」という前回同様の記述で、継続審議が決まった(下図参照)。

 目下の関心は、23年度税制改正大綱での扱いがどうなるかだ。

「21年はルール改正の議論があるという話題だけで関心を持ってもらえたが、今は顧客の理解も深まっている。われわれも常にもっと詳しくないといけない」と大和証券の担当者は気を引き締める。