「仕事がおもしろくない」「上司にうんざり」「もう会社を辞めたい!」
そんな思いが少しでもあるなら参考にしたいのが、92歳にして、現役総務課長としてバリバリ働いている玉置泰子さんの著書『92歳 総務課長の教え』だ。
ベストセラー作家・本田健氏も絶賛する泰子さんの教えは、新入社員からベテラン社員まで即役立つ、説得力あふれる教訓と箴言が満載だ。
「世界最高齢の総務部員」として、ギネス世界記録に認定された泰子さんが、長く幸せに働く63の秘訣を手とり足とり教えてくれる。
※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。
昨日よりも今日のほうがもっとよくなるはず
私の会社では、1983年から企業体質の改善を図るため、TQC(全社的な品質管理)活動にとり組んでいます。およそ40年にもわたって続いているということは、裏を返すと、どんなに工夫を重ねても、仕事には改善の余地が残っているということです。新しい仕事はもちろん、いつものルーティンワークであっても、仕事の質を上げたり、能率を高めたりすることは可能なのです。
私は日頃から、「どうやったら、もっと仕事の質を上げられるだろうか」とか「もっと効率的に仕事を進める方法はないだろうか」と思いながら、仕事をするように心がけています。40年も続けているTQC活動が、骨の髄まで染みついているのでしょう。そのため、決まりきったルーティンワークでも、飽きることがありません。
先月よりも今月、昨日よりも今日のほうがもっとよくなるはずだからです。そういう気持ちで仕事にとり組んでいると、何かしら発見があります。それは仕事を続けるうえで、やる気をうながしてくれるのです。
一見無駄と思えることから、新しいヒントが得られる
いちばん怖いのは“慣れ”です。去年と同じ、先月と同じ、あるいは昨日と同じで、惰性で働いていると、仕事ではなく“作業”のようになります。そうやって仕事が作業化すると、仕事に楽しみを見出すのが難しくなりますし、働く意欲がだんだん低下してしまいます。それが仕事の質の低下やミスの引き金にもなりかねません。
TQC活動というのは、業務の無駄を削ることだと思われがちですが、一見無駄なことにも意味がある場合もあります。無駄には、“意味のある無駄”と“意味のない無駄”があるのです。意味のない無駄は削って効率化を図るべきですが、意味のある無駄は残しておくほうがいいこともあります。
人生に無駄なことはないといわれますが、どんなことでも学びに変えることができれば、そこから得るものはあります。仕事でも一見無駄と思えることから、新しいヒントが得られるケースもあるでしょう。「この工程は要らないな」とバッサリ切り捨てる前に、なぜその工程がこれまで残されてきたのか、その裏側に何か意味が隠されていないのかを深読みしてみるのです。そうすれば、無駄が単なる無駄にならないことにつながると思います。
※本稿は、『92歳 総務課長の教え』より一部を抜粋・編集したものです。