第1位 ワクチンの注射が怖い
コロナ禍で注目を浴びたのが「ワクチン接種」だと思う。私はこれが嫌だった。
ワクチンがどうの、というのは別にまったく問題なく、私が気になっていたのは「痛くないか?」の1点だけだ。
先にワクチンを打った人に話を聞いても基本的には「副反応」についての答えだった。
熱が出たとか、腕が痛いとか。ちがうのだ、そこは置いといて、痛いのか否かだ。私は注射が怖いのだ、痛いから。
いつも注射を打つときは大丈夫じゃないけど大丈夫なふりをしていた。
もういい大人だ。30代も後半だ。かわいいうさぎのように震えていては、カッコ悪い。
だからこそ、大丈夫じゃないけど大丈夫なふりをしていた。
しかし、ワクチンは2回打つことが確定していた。2回も痛いのは嫌なのだ。
この本にこう書いてあった。
「いつも堂々としていなさい。あなたが堂々とした姿でいるときとそうでないときでは人々の態度が変わる」
そうなのだ、プルプルと震えなくていいのだ。堂々としていればいいのだ。
そこで私はワクチン接種1回目で注射を打ってくれる先生に堂々と伝えた。
とても堂々だ。頼りになる人のお手本のように堂々と言ったのだ。
「注射が怖いです。いや、ワクチンがどうのではなく、針が刺さるというのが。痛いのが」と。
たぶん私の人生で一番カッコいいと思われる瞬間だったはずだ。
言っていることはそうでもない。注射が怖いとワクチンの副反応ではなく、針におびえているだけだから。
先生は言った。「大丈夫ですよ、3秒で終わりますからね、一緒に3秒数えましょうね」と。
子どもに諭すように優しく言ってくれた。
堂々としているので先生の態度も変わったのかもしれない。
本当に小さい子に話しかけるような感じだった。
針を刺され、先生と一緒に「いーち、にーい、さーん」と数えた。
痛かったけれど、耐えられた。
すべてはこの本を読んで堂々としていることを学んだからだ。
その結果、現在は3回を打ち終わり、毎回先生と一緒に「いーち、にーい、さーん」と数えた。とても堂々と。
この本にもある。
「誰かが自分の心を認めてくれるだけで、大きな助けになる。力を抜いて、ありのままの自分の姿で休めるようになる」
そういうことなのだ。先生は私を認めてくれたのだ。
その結果の「いーち、にーい、さーん」なのだ。
この本は自分のことはもちろん、他人のことを考えられる人になれる本なのだ。
心と体が軽くなる
私は『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』を出版された直後に読んでいた。
読んだときに抱えている壁を乗り越えることができるのはもちろん、今回のように読んでいたから乗り越えることのできる壁もある。
問題は、私がすごく自分にいいように書いてあることを解釈していることだ。
どこにも裸で過ごす、なんて書いてない。
でも、過ごすことで心は軽くなるし、体は物理的にも軽くなった(体重と衣服分)。
生きているとどこで心に影が落ちるかわからないので、この本を読んでおくのがいいと思う。
とても自然な流れで裸で過ごせるようになるから。