「スピードと質のバランスをどう取るかが難しい」と口にする人ほど、スピード感もなければアウトプットの質も低いという事態が起きています。「スピードと質はトレードオフ」という古い発想と、「質」とは完成度のことだという致命的な勘違いがあるからです。変化が激しく不透明な時代において、スピードと質の問題をどう理解しておくべきなのでしょうか。(アークス&コーチング代表 櫻田 毅)
「スピードと質はトレードオフ」は
古い時代の発想
「スピード感に欠ける人や組織は生き残れない」―――耳にタコができるくらい聞かされている言葉です。
にもかかわらず、意思決定が遅くてスピード感に欠ける人や組織が多数存在します。彼らが決まって主張するのが、「スピードと質はトレードオフの関係にあるため、そのバランスを取るのが難しい」ということです。
しかし、「スピードと質はトレードオフ」というのは、もはや古い時代の発想です。今や「スピードが質を高める」時代だからです。それに加えて、仕事の「質」とは決して完成度のことではないという点も、強く意識しておく必要があります。
これらのことを理解していないと、真面目に努力しているのに報われないという残念な結果を引き起こすことになります。