「舞台」の場合、
お客さんは劇場内にずっといるので、
冒頭で、意味がわからなくても
途中で席を立つような人は少なく、
最後のオチまで付き合ってくれる。
だから、15分間全部を使って
最初に大きな伏線をはり、
最後に一気に回収するという
「起承転結」で
漫才を構成していた。
しかし、テレビで漫才を見る時は、
ちょっと見て面白くなければ
すぐにチャンネルを変えられてしまう。
小さなツッコミを積み重ねる
なので15分かけて
一つの大きなオチに
持っていくのではなく、
スピーディに小さなボケ
小さなツッコミをたくさん重ね、
1つの大きな起承転結ではなく、
小さな起承転結を
いくつも連ねる形にして
途中から見ても
面白い漫才に構成を変えた。
ここで、
舞台でウケる漫才師と
テレビでウケる漫才師
に分かれたのだ。
──なるほど。たしかに。
スマホが生態系を変えた!
エンターテインメントが
舞台からテレビに主戦場が移った時に
漫才の構成を変えたように、
コピーライティングも、
「紙」→「PC」→「スマホ」
によって変えなければならない
ことを、本書を読んで改めて痛感した。
スマホやネットは
人間の生態をも変えるほどの
インパクトを与えている
ということに改めて気づいたし、
「人の感情」を扱うマーケティングそのものも、
その人間の生態が
変化したことを前提に
組み立て直さなければならない
ことに、この本で、今さらながら気づかされたのだ。

【評者】木下勝寿(Katsuhisa Kinoshita)
株式会社北の達人コーポレーション代表取締役社長
1968年、神戸生まれ。株式会社リクルート勤務後、2000年に北海道特産品販売サイト「北海道・しーおー・じぇいぴー」を立ち上げる。2002年、株式会社北海道・シー・オー・ジェイピーを設立(2009年に株式会社北の達人コーポレーションに商号変更)。
2012年札幌証券取引所新興市場「アンビシャス」、2013年札幌証券取引所本則市場(通常市場)、2014年東京証券取引所の市場第二部(東証二部)、2015年東証一部と史上初の4年連続上場。2017年、時価総額1000億円。2019年、「市場が評価した経営者ランキング」第1位(東洋経済オンライン)。日本政府より紺綬褒章7回受章。
「びっくりするほどよい商品ができたときにしか発売しない」という高品質の健康食品・化粧品で絶対に利益が出る通販モデルを確立。「北の快適工房」ブランドで、機能性表示食品「カイテキオリゴ」やギネス世界記録認定・世界売上No.1となった化粧品「ディープパッチシリーズ」などヒットを連発。売上の7割が定期購入で18年連続増収。ここ5年で売上5倍、経常利益7倍。利益率29%は、上場しているおもなEC企業平均の12倍の利益率。株価上昇率日本一(2017年、1164%)、社長在任期間中の株価上昇率ランキング日本一(2020年、113.7倍、在任期間8.4年)。日本経営合理化協会セミナー「『北の達人』他社を突き放す5つの戦略」は参加費4万円超ながら327人が受講。初の著書『売上最小化、利益最大化の法則──利益率29%経営の秘密』が8刷のベストセラーとなり、【2021年 スタートアップ・ベンチャー業界人が選ぶビジネス書】大賞受賞。近著に『ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング──Webマーケティングの成果を最大化する83の方法』。
【株式会社北の達人コーポレーションHP】
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