いま私たちの生活は、PC・スマートフォンの普及により夜型化が進み、良質な睡眠がとりづらい状況に陥っている。睡眠が不規則になると、「なかなか寝つけない」「1日中眠気を感じる」といった睡眠障害の症状が出やすくなり、心身の健康も崩れがちになってしまう。
そこで、睡眠の質の改善に役立つのが、25年以上睡眠専門医として活躍している坪田聡氏の著書『朝5時起きが習慣になる「5時間快眠法」』だ。本書は、短時間の睡眠でも朝スッキリと起きられ、日中もハツラツと活動できる「5時間快眠法」のメソッドを3つのステップで解説している。
本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、「寝てはいけないのに眠い」というときに役立つ、「午後の眠気」を一瞬で解消するのに効果的な方法をご紹介する。(構成/根本隼)
仮眠に代わる「眠気覚ましの方法」
一日20分程度の仮眠をとれれば、その後の疲労感やパフォーマンスは見違えるほど変わってくる。しかし日本では、まだ仮眠をとる文化が根づいていない。そのため、20分もの仮眠をとるのが難しい人もいるだろう。
そこで、基本の仮眠をとれない人が、それを補う方法を紹介したい。その方法は、セロトニン神経を活性化させることだ。セロトニン神経は、脳にある覚醒系の神経のひとつ。この神経が元気になると、頭がすっきりして目が覚める。
脳内では、神経と神経の連絡に化学物質が使われている。これを「神経伝達物質」といい、人間には約100種類ある。
このうちのひとつが「セロトニン」で、セロトニンを利用して情報を伝達する神経を「セロトニン神経」という。
「午後の眠気」を解消するリズム運動とは?
セロトニンを増やして脳を覚醒させるには、太陽の光を浴びたり、リズム運動をしたり、仲のいい人と話したりすることが有効だ。
リズム運動とは、散歩や体操などのリズムのある運動のこと。ゴルフやバットの素振りのマネをしたり、ガムを噛むだけでもリズム運動となる。
午後の眠気対策には「おやつ」も有効だ。ご存じの通り、脳はブドウ糖からしかエネルギーを得られない。脳を元気にするにはブドウ糖が必要なのだ。
長時間の仮眠は難しくても、おやつ休憩程度ならとれる人も多いだろう。できればおやつ休憩は、仲のいい人と一緒にとるようにしたい。親しい人と話すと脳が活性化され、眠気も吹き飛びやすいからだ。
また、5分ほど外へ散歩に出てみるのもよい。太陽の光は、眠気を吹き飛ばす強力な味方だ。外に出るのが難しい場合は、窓際に移動して光を浴び、外をボーッと眺めるだけでも効果がある。
眠気覚ましに効果絶大な「7つのツボ」
飲み会の翌日など、どうしても眠気がとれない日もあるだろう。そんなときに、デスクや電車内で気軽にできる眠気覚ましの「ツボ押し」も紹介しておこう。
単純ながら効果は絶大だ。退屈な会議中にも使える便利な眠気覚まし法である。7つのツボを紹介するので、自身のお気に入りのツボを見つけて、必要に応じて実践してほしい。
(本稿は、『朝5時起きが習慣になる「5時間快眠法」』より一部を抜粋・編集したものです)