生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。
ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つの物語は、気づかぬ間に心の荷物を抱え込んで苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。
voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
小さなことでもひとりで抱え込んでクヨクヨしない
誰かに相談したり、誰かから相談されたりすることは、誰にでもあると思います。ひと言で「相談」といっても、内容はさまざまです。なかには、「たいしたことではないから、相談するまでもない」なんて他人に打ち明けられず、頭の中がモヤモヤしっ放しの人もいます。そういう人は、少なくとも「私は困っている」という事実を誰かに伝えるだけでも、解決の糸口が見つかるでしょう。
ひとりで悩みごとを抱えがちな人は、真面目なタイプが多いです。だから、すごく困って、悩んで、もうどうにもならないところまで追い込まれないと、「相談してもしょうがない」と思い込んでいる傾向があります。そうならないうちに、「些細なことかもしれないけれど、困っていることがある」という事実を誰かに伝えてみる。その困りごとが解決しなくても、他人に話すだけで、意外と頭の中のモヤモヤが軽減されるという効果も得られるでしょう。
ただし、何ごともバランスが大事ですから、しょっちゅうグダグダと愚痴られると、話を聞かされる相手によっては嫌がるかもしれません。そのへんの相手との関係性は大事ですが、心の奥底に悩みごとを抱えたまま、なにもアクションを起こさないのは健全ではないです。
小さなプライドを捨てて弱みを見せてみる
職場の同僚や友人との雑談で「いや~、いまちょっと大変でさ」と話すだけでも、だいぶ心の持ちようが違ってくるでしょう。穿った見方をすると「他人の不幸は蜜の味」ともいわれますから、他人が困っていることを聞くのは、基本的に嫌いじゃない人が多い傾向にあります。
そして、困っていることを話してみると「ほかの人からも、そういう話を聞いてるよ」など、解決のヒントを得られたりして一歩前進する可能性もあるんです。それは、話してみないとわからないことでもあります。だから、どうしようもなくなるくらい追い込まれてからでないと、相談してはいけないわけではないのです。小さなことかもしれないけれど、自分としては困っていることを周りの人に伝えてみることは大事です。
人は「まだ大丈夫」「まだ行ける」と思って、なるべく行動を控えようとする傾向もあります。妙なプライドが邪魔して、「困っていることを周りの人に知られたくない」なんて自分の弱みを見せたくない人もいるでしょう。しかし、大事に発展する前の小さな異変のうちに、ほかの人に伝えることで、自分も助かるし、場合によってはまわりの人に迷惑をかけずに済むかもしれないのです。だから、ほんの些細なことでも、相談してみることは大切なんです。
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)にお悩み解消のヒントがあります。