初心者でも使いやすいのはGoogleKeep、LINEKeep、LINENote
―― Googleアカウントを持っていたらGoogleKeepが無料で使いやすいかもしれませんね。
石阪:そうですね。初心者はGooglekeepのほうがEvernoteよりも使いやすいと思います。どちらも音声入力できるところが便利ですよね。私も片づけ講座で話すことを思いついたときや、生徒さんに伝えたいことをちょっとメモしたいときは、全部スマホやiPadで音声入力しています。あとLINEはみなさん使ってらっしゃるので、写真やメモの管理は自分用のLINEKeepやLINEnoteを使ってもいいと思います。
私はLINEで片づけレッスンをしていますので、レッスンを受けた方の名前と日付を入れて、その方から送ってもらった部屋の間取りや片づける部屋の写真も全部アルバムに保存しています。そうすると、確認したいときにすぐ検索できるからすごく便利ですね。LINEは初心者でもすぐ慣れると思います。
写真の保存に関してはGooglePhotoは無料で使える容量の制限があるので、AmazonPrimeに入っている方はAmazonPhotoのアルバムを使えば無制限で保存できます。大切な写真はダブルで保存しておくと安心です。若い方で、Instagramを非公開にしてそこに家族写真のアルバムを保存して、家族だけで共有しているケースもあります。
今度、私の娘が結婚するんですけど、披露宴で使う小学5年生のときの写真が欲しいって言われて、それはアルバムをすぐスキャンして送りました。データの写真は量が多いと探すのが大変ですよね。だから、日付や場所ですぐ検索できるようにナイスショットだけ残して保管しておいたほうがいざというとき便利です。
―― 写真とか書類をハードディスクに保存するのは危険、というアドバイスにはドキッとしました。やはりクラウドに勝る保存方法はないんですね。
石阪:ハードディスクを使っていて壊れた生徒さんがおられました。片づけ講座で自分の失敗談を話してくださるのは本当にありがたいです。リアルな体験談ですからね。そして、ハードディスクやSDカードは本当に怖いなと思いました。だから皆さんに、大切なデータはすべてクラウドで管理をおすすめしています。
そうしたら、以前、書類講座で「自分の死後のことを考えても、データ化したほうがいいでしょうか?」って質問されたことがありました。最初は意味がわからかったので確認したら、「私の死後もデータが永遠に残ったら、データの世界がいっぱいになって迷惑をかけてしまうんじゃないか」って心配されていたんです。
死ぬ前には全部削除しないといけないと思っておられたみたいだったので、「それは心配しないでいいよ」とお伝えしました。
こんな風に真面目な人ほど、新しいことを始める前にいろいろ考えてしまうんですよね。
ですから、まずは1回使ってみる。そのほうがデータ化に移行しやすいと思います。
―― アプリやサイトを使ったことがない人は不安もあると思うので、『紙片づけ!』でアドバイスしている紙とデータの使い分け方や、個人情報の管理方法も初心者には役立つと思いました。
石阪:大事なデータは二重管理が鉄則ですし、あえて紙で残したほうがいいものや紙じゃないとダメなものもあります。パスワードを自分専用に暗号化する管理方法も、漏えいリスクに備えられるのでおすすめです。仕事や子育てや介護で忙しい人ほど、紙はデータ化して必要なときにパッと確認できるようにしておいたほうが本当に楽で便利です。ただ、お年寄りはスマホだと画面も文字も小さくて使いにくいので、iPadを使っている方が多いですね。
―― 子どもが作った作品もすべてデータ化したほうが、劣化も防げますし、いつでも見返すことができますね。絵や日記などをアルバムにして作品集を作るアイデアは、私もすぐ真似します!
石阪:思い出のものは事務的にぱっと片づけられないので悩む方が多いんです。でも、子どもが成人した後も図工で作った作品が押し入れいっぱいに詰め込まれていて、本人はすっかり忘れているのに「全部あなたが作ったものよ」と言われたら、子どものほうが困りますよね。
もちろん親の愛情は感じるかもしれませんけど、捨てられないのは親の執着。子どもはそこまで執着心ないですから。手放してあげて、ピックアップしたものだけデータ化して残しておけば、親子で共有もできます。私も娘の作品絵日記をデータ化してたまに読み見返してますけど、データで作品集を作るとまとめて見返せるので、むしろ記憶に残りやすいですよ。
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