株価・給料・再編 5年後の業界地図#1Photo:ASKA/gettyimages

新型コロナウイルスが直撃した不動産・住宅業界だが、今度は世界的な金利の上昇や資材価格の高騰という新たな難問に直面している。とはいえ逆風下でも、コロナ後を見据えて強気の中期経営計画を発表し、株価に割安感が強い企業も目立つ。特集『円安・金利高・インフレで明暗くっきり! 株価・給料・再編 5年後の業界地図』(全24回)の#1では、今後5年間の本命企業や注目テーマを分析。財閥系の中で強いのはどこか。新興&中堅で5年後に生き残る企業とは?(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

中堅以下がコロナ禍で苦しんだ中
物件を着実に仕込めた財閥系が優位に

 一難去ってまた一難。

 コロナ禍ではオフィスビルの空室率の増加や、商業施設やホテルの低迷に苦しんだ不動産・住宅セクター。足元は通勤列車の混雑度が増して、商業施設にも人が戻ってきているが、今度は世界的な金利の上昇や資材価格の高騰という新たな難問に直面している。

 引き続き事業環境に不透明感が残る不動産・住宅セクターだが、直近決算では強気の中期経営計画を発表した企業も目立つ。コロナ前は戸建てのオープンハウスグループ、中古ビルのヒューリックなど「回転売買」に強い企業が躍進したが、コロナ禍が落ち着いた後の主役はどこか。

 SMBC日興証券の田澤淳一シニアアナリストは「動乱の時代は財務が盤石でコスト競争力が高い大手が業績を伸ばしやすい」と指摘する。コロナ禍において中堅以下が苦しんだ一方で、財閥系など大手不動産は着実に物件を仕込めていることも、格差が拡大する要因となる。

 次ページでは業界未来図に加え、今後5年の本命企業を発表。気になる年収比較や株価データとともに紹介する。すると大手と中堅、入り乱れた5年後の明暗がはっきりと見えてきた。

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