生きていれば、不安や悩みは尽きない。寝る前に考え込んでしまって、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉の数々。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が苦しくなったとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
アピール上手の落とし穴
なにかと自己アピールしたがりな人がいます。時と場合によってアピールは大事かもしれませんが、アピールすること自体が目的化して、一生懸命になってしまっている人もいます。でも、はっきりいって実力以上のアピールは無意味だと思うんです。
別のいい方をすると、実力以上のアピールは逆効果にもなりかねません。アピールするということは、相手に期待を持たせるということでもあります。その期待に実力がともなっていないと、アピールすればするほど、逆にガッカリされる種を自分でまいているようなものなのです。
ウソをついてオオカミに襲われてしまうイソップ物語の「オオカミ少年」のように、アピールすればするほど効果がなくなる可能性もあります。アピール上手になる方法を説くノウハウを説く情報も少なくありませんが、そのことばかりに力を入れてしまっても、実力がおろそかになってしまっては、オオカミ少年になるために努力してしまっているようなものです。
自己アピールをするならどれくらいに?
自己アピールというのは、自分の実力よりちょっと低めくらいのほうがいいんです。とても申しわけなさそうなくらいに話す人が、実はめちゃくちゃできるほうが、評価は高まるはず。逆にいうと、めちゃくちゃ自己アピールして目立つのに、結果がともなわないと、期待値が高かった分、落胆の度合いも大きくなってしまいがちです。
自己アピールは、プレゼンテーション能力にもつながる話かもしれません。プレゼンテーション能力を高める情報もたくさん出回っていますから、勉強しやすいしわかりやすい。
プレゼンのテクニックも大事ではありますが、あとあとのこと考えれば、やっぱり急がば回れでコツコツと実力を養うこと。自分の存在だけアピールできたら、あとはまわりから声をかけられるまで待てばいいやくらいに思って、自分の実力を上げることのほうに力を入れたほうがいいんじゃないかと思います。
※『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)には、不安や悩みを解消するヒントが満載です。