大分県で生まれ育ち、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま、ハーバード大学に現役合格した『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』の著者・廣津留すみれさん。ハーバードを首席で卒業後、幼い頃から続けているバイオリンを武器にニューヨークのジュリアード音楽院に進学、こちらも首席で卒業した。現在はバイオリニストとして活動しながら、テレビ朝日系『羽鳥慎一 モーニングショー』のコメンテーターとしても活躍。9月2日(金)の放送では、母親の廣津留真理さんとの”親子出演”で話題となった。
日本から突如、世界のトップ校に飛び込み、並み居る秀才・天才たちのなか、途方に暮れるような大量の難題を前に、どう考え、どう取り組み、どう解決していったのか? 著者が学び、実践してきたハーバード流の「考える力」について、自身の経験をベースに、どうすれば個人や組織が実践できるかを、事例やエピソードとともにわかりやすく紹介する。
※本稿は『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』より一部を抜粋・編集したものです。
英語と日本語の対照的な構造
【前回】からの続き
5パラグラフエッセイは、基本的に英語の構造を反映しています。英語の基本的な構造は「SVO型」で、「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」という語順を踏まえています。たとえば、「I ride a bike.」は、「私は(S)+乗る(V)+自転車に(O)」という語順をたどっています。
S+Vで「誰が何をするのか」という主題が先にある英語の構造は、内容が早く明快に伝わりやすいメリットがあります。始めに主題を述べてから、その中身を具体的に語る5パラグラフエッセイは、英語の構造を拡大化したものなのです。
これと対照的に日本語の構造は「SOV型」で、「主語(S)+目的語(O)+動詞(V)」という語順を踏まえています。先ほどの英語の例文を日本語に置き換えてみると、「私は(S)+自転車に(O)+乗る(V)」となります。
要点がわかるメールづくりを心がけていますか?
日本語では、最後の動詞(V)にまでたどりつかないと、「私」が「自転車」で何をするのかがわかりません。「起承転結」という言葉が示しているように、日本語は最後の最後に結論を述べる構造になっているのが特徴なのです。
英語だと友人や仕事仲間とのやり取りは簡単です。始めに「今日は次のコンサートの日程調整でメールしました。連絡事項は全部で3つあります」といきなり結論を語り、3つの連絡事項を箇条書きにするだけだからです。要点がはっきりするので送信側は楽ですし、受信側も理解しやすいです。
一方、日本語で友人や仕事仲間とメールでやり取りすると、「お疲れ様です」などという挨拶から始まり、結論がない文章がしばらく続くことが多いです。メールで伝えたい要点がどこにあるのかがわからないまま、最後に「何卒よろしくお願いします」で締めくくったりするのですが、長い文章を読まされた挙げ句、いったい何が「何卒よろしくお願い」なのか、わからないことも少なくありません。
「結論⇒要点箇条書き」の英語式で
日本語のメールもシンプルに伝えよう
日本語でメールを書くときも、英語のように「結論⇒要点箇条書き」というシンプルなスタイルのほうが伝わりやすいです。「お疲れ様です」も「何卒よろしくお願いします」も形式的なものにすぎないので、そろそろ省略してもいいのではないかと思ってしまいます。
FacebookやLINEでのやりとりのほうが社交辞令を省き、手短な文章でやりとりする文化が進んでいるので、手間が省けて要点を理解しやすく便利です。
※本稿は『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』より一部を抜粋・編集したものです。ぜひチェックしてみてください!