難関校への圧倒的な合格実績で話題の「フォトン算数クラブ」。中学受験塾の上位生も通う算数特化塾だが、基本方針は「攻撃は最大の防御なり」。低学年から飛び級を活用してライバルに差をつけるのが特徴だ。特集『中学受験に勝つ! 最強の小学校低学年の教育』(全7回)の#2では、今回がメディア初登場、フォトン算数クラブの武井信達塾長に合格実績や強さの秘密、飛び級の是非までを直撃した。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
合格実績が注目されているフォトン算数クラブ。第15期生89人(男子59人、女子30人)の2022年度合格実績を見ると、筑波大学付属駒場5人、開成10人、麻布7人、桜蔭8人、女子学院2人、渋谷教育学園幕張21人など超難関校の名前が並ぶ。また、一部の生徒が合格数を稼ぐのではなく、「塾生の88%」が御三家・早慶以上に合格しているという。
メディア初登場、武井信達塾長に「強さの秘密」から「飛び級システムの是非」までをインタビューした。
メディア初登場、フォトン算数クラブ塾長に
「合格実績」から「先取り批判」まで直撃!
――塾生の88%が御三家・早慶以上に合格という22年入試の結果が注目されています。実績についてどう感じていますか。
私たちはもっと上を目指しているので、個人的にはそれほど満足していません。ただ、フォトンではSAPIXの偏差値表で早稲田大学高等学院中学部(早大学院)の偏差値以上の学校を「御三家・早慶以上」と明確に定義していますが、近年は偏差値の上昇で対象校が減少していますので、ある程度はお許しいただけると思っております。
22年度入試においては、弊塾にも例えばフェリス女学院の合格者がおりましたが、前出の偏差値表では21年から早大学院よりも1ポイント下回ることになったので、カウントしておりません。そのぐらい、数字で明確にしております。
――優秀な生徒が複数の学校に合格することで数字を稼ぐのではなく、「全塾生の88%が難関校に合格」というのが特徴です。こういった発表の仕方は珍しい。
実際に自分のお子さまが合格するかどうかが大切なわけですから、累計では意味がないですよね。フォトンでは一番下のクラスでも大手塾では上位クラス在籍者が多く、早慶には届く子が多い。そうでないと、88%にはなりません。
フォトンは2年生からの入塾がメインです。昨年の2年生の入塾試験の倍率は5倍前後でしたが、5年前の倍率は3倍程度。その子たちが頑張って今回の実績を出してくれました。ですから今後もどんどん良くなっていく予定です。
残念ながら届かない子もいますが、成績が悪いから辞めさせたことは1回もないですし、今後もありません。お預かりした生徒は最後まで責任を持ちます。できる子だけを集めて合格させても、意味がないですから。
正直に言うと、算数が好きな子がたくさん来てくれるとうれしいですよ。でも、実際はいろいろな子がいて、間口が広いですね。
――圧倒的な実績の一方で、「飛び級」による先取りや「大量演習によるパターン学習」などについては批判の声もあります。飛び級は、5年生までは「貯金」で成績が良くても、6年生後半に失速すると言う専門家もいます。
次ページでは批判への回答のみならず、「算数好き」にする秘訣や塾生の勉強時間と家庭学習の中身、さらには大手塾や公文式、パズル系の教材をどう見るのかまでを今回がメディア初登場となる武井塾長に直撃。フォトンに通う子どもたちが、なぜすさまじいまでの結果を出せるのかを明快に答えてもらった。