「あれ? いま何しようとしてたんだっけ?」「ほら、あの人、名前なんていうんだっけ?」「昨日の晩ごはん、何食べんたんだっけ?」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、もの忘れが激しくなってきた。「ちょっと忘れた」というレベルではなく、40代以降ともなれば「しょっちゅう忘れてしまう」「名前が出てこない」のが、もう当たり前。それもこれも「年をとったせいだ」と思うかもしれない。けれど、ちょっと待った! それは、まったくの勘違いかもしれない……。
そこで参考にしたいのが、認知症患者と向き合ってきた医師・松原英多氏の著書『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)だ。
本書は、若い人はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも脳が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、脳の衰えを感じている人が陥りがちな勘違いと長生きしても脳が老けない方法を解き明かす。

91歳の医師が<br />「認知症は不治の病」<br />と断言したワケPhoto: Adobe Stock

がんは「不治の病」ではなく「治せる病気」

この私の答えを聞いて、驚く方もいらっしゃいます。がんになると治療に大きな苦痛をともない、死期も早まると思っているからでしょう。

日本人の2人に1人は、一生のうちに一度はがんと診断される時代です。がんがやっかいな病気であることは間違いありませんが、すでに治療法があり、早期であれば完治することだって可能になっています。

日本人の全がんの5年相対生存率(がんと診断された人が5年後に生きている確率を、日本人全体が5年後に生きている確率と比べたもの)は60%を超えています(男性62.0%、女性66.9%)。つまり、がんは「不治の病」ではなく、実際は「治せる病気」なのです。

残念ながら、認知症は「不治の病」

一方、認知症には、いまだ切り札と呼べるような治療法がありません。新型コロナウイルスのように、ワクチンがあるわけでもありません。

薬物の副作用などによる一時的なものを除くと、いまのところ残念ながら、認知症は「不治の病」なのです。

91歳の医師が<br />「認知症は不治の病」<br />と断言したワケ

がんと同じように2人1人が認知症に?

このまま高齢化が進めば、近い将来、がんと同じように、一生で認知症と診断される人の割合が2人に1人になったとしても、私は驚かないでしょう。

ヒトという動物の本当の寿命は120歳だという説もありますが、仮に120歳まで生きたとしても、その多くが認知症になっている可能性だって、決して小さくないでしょう。

※本稿は、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』より一部を抜粋・編集したものです。本書には、脳が若返るメソッドがたくさん掲載されています。ぜひチェックしてみてください!