さらに今回の米国電池工場進出にあたって合弁出資比率をLGES51%・ホンダ49%としたのは、リスク分散の意味もあるだろう。

 GMとLGが長く電池開発で手を組んできた中で、過去にはGMのシボレー・ボルトEVで発火事故が発生し、GMが大規模リコールを余儀なくされたことで巨額の費用負担が迫られたというケースがある。21年10月にGMは、総額20億ドルのリコール費用のうち、19億ドルをLG側が負担することを発表している。

 ホンダも過去、品質費用負担でかなりの痛手を負った経験もあり、合弁での出資については、こうした背景があるといえよう。

中国でもホンダはEVシフト
電池はCATLと提携

 ホンダの電動化戦略は、「脱エンジン」が見出しに大きく扱われて「ホンダは本当にエンジンを捨てるのか」と懐疑的な受け止め方もされているが、三部社長は意に介さない。今回の発表コメントでも「ホンダは50年までに、ホンダが関わる全ての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを実現するという目標に取り組んでいる。需要のあるところで製品を生産するというポリシーはEVの重要なコンポーネントの調達においても重要であり、ホンダは各地域でバッテリーの現地調達や生産を進めている」と述べている。