「人前で話すのが苦手」「プレゼンで緊張してしまう」「雑談も苦手」
そんなアナタが参考にしたいのが、TBSの井上貴博アナウンサーの著書『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)だ。アナウンサー歴15年で試行錯誤しながら実践してきた52のことを初公開。「地味で華がない」ことを自認する井上アナが、情報・報道番組の最前線で培ってきた「伝わらない」が「伝わる」に変わるテクニックが満載。人前で話すコツ、会話が盛り上がるテクなど、仕事のプレゼンからプライベートの雑談まで即役立つノウハウ、さらに失敗や葛藤についても赤裸々に語る。
※本稿は、『伝わるチカラ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
嫌われる覚悟を持とう
私も心の底ではたくさんの人に好かれたいですし、嫌われたくないという気持ちもあります。好感度を求める気持ちは、アナウンサーという職業柄もあって、どうしたってナシにしようがありません。
だからといって、好感度をとりに行こうとすると、優等生的な発言に終始することになります。まったく角が立たない代わりに、何の印象にも残らないことしか言わなくなる。つまり、非常につまらなそうに見えるというジレンマに陥るのです。
「好かれたい × 好かれようと行動する = つまらない人になる」――この公式から抜け出すには、ときには自分から嫌われに行く覚悟も必要です。
無視されるくらいなら
嫌われたほうがいい
「多少嫌われたっていい」「嫌われても仕方ない」と腹をくくることで、物怖じせずに言いたいことが言えるようになります。
ある落語家さんが「4割の人から好きと言われ、6割の人から嫌いと言われるくらいがちょうどいい」と語っているのを聞いたことがあります。
私には、どのバランスが正解なのかよくわかりませんが、「無視されるくらいなら、嫌われてなんぼ」というのは前述した通りです。
いずれ人間が丸くなっていく
ただ、年齢や時代の変化によっても、バランスは変わっていきます。
私は現在38歳です。これから40代、50代と年齢を重ねていけば、だんだん人間が丸くなっていくことでしょう。
結婚したり子どもができたりして、「いつまでも尖っている場合じゃないな」と心境が変化する可能性も大です。
若いときこそ嫌われよ
また、アナウンサーは時代の変化にも大きく影響されます。いまは「尖ったアナウンサー」がある程度許容される時代ですが、この先どうなるかは見当がつきません。
結局のところ、人間が尖っていられるのは、若いうちだけです。だから若いときくらい嫌われる覚悟を持つべきではないでしょうか。
特に若い人には「どうせいつかは丸くなるのだから」という視点を持つことをおすすめします。