他人とのコミュニケーションは、気を遣うし疲れます。
けれどなるべくラクに、自分らしく、たのしく会話したいもの。そして良い印象も与えたい! ですよね。
この連載では、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エムなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんが「自然体のまま」で「相手も自分も大切にするコミュニケーション」のコツをご紹介します。

「頑張って!の声がけはNG」は、本当か?#励ましの言葉5選Photo: Adobe Stock

励ましているつもりが、それプレッシャーかも?

 相手を励ましたい時、元気づけたい時、何と声をかけますか?

 例えば、

「頑張って」

 の一言。これは、相手によっては「もうすでに頑張ってるんだけど……」と思ったり、プレッシャーに感じたりします。また、相手だけに荷物を背負わせる印象もありますね。

 代わりに、

「応援しています」

 と伝えてみましょう。

「応援しています」のほうが、励ます気持ちがにじみ出ます

相手がちゃんと納得する「励ましの言葉」

 弱気になっている人に対しては、自信をもってもらえるような一言をかけたいですね。

 例えば、

「今までの積み重ねを信じれば、大丈夫」

「練習でも頑張っていたから」などと、どのように積み重ねてきたかの一文を添えて、具体的に励ますのがポイントです。

 また、

「大丈夫。うまくいくよ」

 こんな一言を、不安を吹き飛ばすような気持ちで伝えましょう。相手も「私には味方がいる」と思えて安心できるはず。

 また、根拠を添えて励ますのもいいですね。

「この前成功したから、今回もうまくいきますよ!」

 過去の成功体験を思い出してもらう声かけです。相手の中で納得感が芽生えます。

「資料作成が完璧だから大丈夫!」「リハーサルもよかったですよ」などと、根拠付きで励ましてみましょう。

 まわりからのプレッシャーが大きそうな場合は、

「〇〇さんのペースでいいですよ」

 こんなふうに、肩が軽くなるような言葉も素敵な励ましになります。

「頑張って」はNGと聞くけれど本当?

「今度の〇〇、頑張るね!」と自ら口に出してやる気をみなぎらせている相手には、「頑張って! 応援してるよ」と返答するのはOKです。

 一方、相手が頑張ると口に出していないのに、こちらから「頑張って!」と言うのは避けたほうがよさそうです。代わりに「いつも頑張っているの知っていますよ」はいいですね。味方であることが伝わります。

心に届く励まし方のコツ

 励ましの気持ちをしっかりと相手に届けたいときは、相手の「過程・課題・可能性」の3つを探してください。相手は「見守られている」と感じて、安心感を覚えます。

 例えばこんな感じです。

 過程「1年目でこんなにできるのはすごいことですよ」
 ↓
 課題「だから今回のトラブルも大丈夫!」
 ↓
 可能性「〇〇さんなら乗り越えられますよ」

『オトナ女子のすてきな語彙力帳』では、無理なく自然体でできるコミュニケーションのヒントをたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
(本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)