答えのない時代に、メモが最強の武器になるーー。
そう言い切るのは日本一ノートを売る会社コクヨで働く下地寛也氏だ。トップ社員である彼自身が、コクヨ社内はもちろん、社外でも最前線で働くクリエイターやビジネスマンにインタビューを重ねてきた。そこから見えてきたことは、
◆トップクラスの人達は、メモを取り続けていること
◆そして、頭の中で考えるのではなく、書きながら考えていること
だった。
この連載では、『考える人のメモの技術』の著者である下地氏が、実際に集めたメモをベースに、あらゆる問題解決に効くメモ術を紹介していく。

【メモが続かない人へ】ラクして続く「手抜きメモ」のコツPhoto: Adobe Stock

几帳面にメモする人ほど使ってほしい略字のコツ

 人の話をメモする場合、どうしても書くのが遅れがちになります。そんなときのためにパパっとメモができるコツを4つご紹介しましょう。

 コツ① アルファベット2、3文字で表現する
 ホンダのステップワゴンのロゴはSTEP WGNです。WAGONの母音を除くとWGNになります。

 このように、よく使う言葉を母音を除いたアルファベット2、3文字で表現できないかと考えてみてください。

 コツ② マル秘のような1文字マークをつくる
 機密書類をマル秘と書くように、1文字を丸で囲むようにするマークも有効です。ミーティングをマルM、未決事項をマル未などと書くだけで、かなりスピードアップできます。

 コツ③ 漢字の略字を使う、マイ略字をつくる
 国や個の口の中を省略したり、問や聞の門を略字で書いている人は多いと思います。ネットで「漢字 略字」と検索すれば、いろいろな省略のしかたが載っていますので、参考にしてみてください。

 コツ④ 意味がわかるレベルで短くする
「イノベーション」や「コラボレーション」などカタカナ用語はどうしても長くなります。はじめだけちゃんと書いて、そのあとは「イノベ」「コラボ」と書けば十分でしょう。

「貼る」のも立派なメモになる

 メモは全て自分で書く必要はありません。新聞や資料などは切って貼りつければいいのです。

「気になった新聞のニュース」「デザインがかっこいい雑誌の写真」「映画や美術館の半券」などなど。

 注意点は、記事のタイトルや重要な部分が見えるように貼ること。切りとった紙片に日付や、雑誌の名前何月号かなどの情報がなければ忘れずにメモしましょう。

スマホで情報源の写真を撮る

 記事の切り貼りが面倒な人は、スマホでその記事の写真を撮る方法をおすすめします。スマホで写真を撮ると勝手に日付データが残ります。

 次にその情報に関するメモを1、2行ノートに書いておきます(もちろん日付は書いてくださいね)。

 メモの最後にPhoto(写真)を撮ったサインとしてPと書いておきます

 こうすれば、メモでざっくりした情報は思い出せますし、スマホの写真を日付で検索して、オリジナルのデータを見ることもできます。

『考える人のメモの技術』では、今日から使えるメモの技術をたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

(本原稿は、下地寛也著『考える人のメモの技術』から一部抜粋・改変したものです)