ルール(2) レベルに合わない難問は捨てる
――私だったら、「こんな難しい問題、今はまだやらなくていいよ」と言っちゃうかもしれません(笑)。
富永:そうそう、「難しい問題は捨てていいんだよ」って言われたほうが、子どもも気が楽になりますよね。
特にひとりっ子の女の子は真面目で、何でもかんでも全部できなきゃいけないと自分を追い込みがちです。親も、4教科バランスよく成績が良くなることを望む人がほとんどです。
でも最近の中学受験では、「算数だけ」「国語だけ」あるいは「算数と国語だけ」というように、1科目や2科目に特化した配点の入試が増えています。もしも得意分野がはっきりしている一点突破型の子どもだったら、その才能を生かせる受験を考えてもいいんじゃないでしょうか。
――子どもの特性に合った入試の選択肢が増えてきたのはいいことですね。
富永:言うまでもありませんが、得意な教科に時間を注いだほうが自信を持てますから、結果的に伸びやすくなります。だから受験勉強は、「捨てる勇気」がものすごく大事です。
もうひとつ自信を持たせる方法として、解いた問題を解説させてみるのも効果的です。普通は親が子どもに勉強を教えますので、子どもが親に説明するとそれだけで大きな自信につながります。
また、頭の中で問題を解くだけでなく、人に説明ができると子ども自身の理解もグッと深まります。
――子どもに失敗させたくなくて先回りする親も多いそうですが、小さな失敗を10歳までにたくさん経験させたほうが免疫力がつくと書かれています。
富永:受験勉強はもちろん、人生においても、失敗は避けて通れませんよね。でも、子どもが小さいうちは親が先回りすれば、ある程度は失敗を回避させることができます。
すると、本人が大失敗をしたときのショックが大きくて、ネガティブになってしまいます。特に女の子はダメージを受けやすいので、すぐに立ち直れるように小さい失敗で免疫力をつけておいたほうがいいのです。