ルール(3) 小さな失敗をたくさん経験させて免疫力を高める
――小さな失敗は、たとえばどんな例がありますか?
富永:本にも書きましたが、子どもが苦手な時間管理や、生活習慣、勉強の段取りなど、自分でやらせてみるんです。最初は「自分のことを自分で決めた」という喜びを感じられます。
もしそれがうまくいったら小さな達成感も味わえます。うまくいかなかったとしても、「学校帰りに30分でできると思った宿題が終わらなかったから、寝る前にあと15分追加しよう」というように問題解決する力がつきます。
テスト勉強を前日にまとめてやろうとして、大失敗することもあるかもしれませんが、5年生の夏まではそれもいい経験になります。むしろそういう「やらかしがち」な失敗は早いうちにどんどんやらかしたほうがいい。
その繰り返しで、同じ失敗を繰り返さないようになりますし、失敗しても次に生かせるようになっていきます。
――本書の最後にあった、子どもが求めているのは親の応援で、期待はプレッシャーにしかならないという言葉にもドキッとしました。自分は応援しているつもりでも、「もしかして期待していると思われているかも?」と。
富永:親が子どもに期待するのは当然ですよ。でも子どもが求めているのは、精神的な親の応援なんです。
塾の送り迎えも応援ですが、物理的な応援ですよね。もちろんそれも大事ですけど、「今日も遅くまでがんばったね」「テストが終わったらどこに遊びに行きたい?」というように、子どもの気持ちに寄り添った精神的な応援も忘れないでほしいのです。
たとえば夏休みの猛暑の中、汗をかきながら塾通いしたら「この暑い中、休まず塾に通ってえらいね!」と言ってあげるだけで、子どもとの関係はよくなります。
「お母さんがいつも見ていてくれる」「何があってもお父さんが味方してくれる」と思える安心感を与えてあげれば、子どもの自己肯定感も高まって精神的に安定するのです。
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