答えのない時代に、メモが最強の武器になるーー。
そう言い切るのは日本一ノートを売る会社コクヨで働く下地寛也氏だ。トップ社員である彼自身が、コクヨ社内はもちろん、社外でも最前線で働くクリエイターやビジネスパーソンにインタビューを重ねてきた。そこから見えてきたことは、
◆トップクラスの人達は、メモを取り続けていること
◆そして、頭の中で考えるのではなく、書きながら考えていること
だった。
この連載では、『考える人のメモの技術』の著者である下地氏が、実際に集めたメモをベースに、あらゆる問題解決に効くメモ術を紹介していく。
本に問いかけながら、思考の筋力をつける
大人にとって読書とは、学生の詰め込み教育ではなく、自分の「考え方」に対する「新しい問い」を生み出し続けるプロセスです。
本の情報を鵜呑みにせずに、問いかけながら気づきを得ることこそ大切でしょう。
「なぜ、このような考え方になるのだろう?」
「何を根拠にそういった結論が導かれるのだろう?」
「このテーマの本質はどこにあるのだろう?」
このように問いを立てながら、自分のそれまでの考え方を壊して再構築していきたいものです。
本の内容に、自分の気づきを加える
では具体的に、どうメモしていけばいいのでしょうか。いろいろ読書メモの方法を試したけど、結局面倒になり、何もしていないという人も多いと思います。
おすすめの方法は、
・直接、本に線を引く
・直接、本にメモしながら読み進める
というやり方です。
本がもったいないという意見もあるかと思いますが、そこから何も学べないという方が時間がもったいないはずです。
そうして最後に「ココこそ大切だ!」と思うポイントだけを、ノートに数行のメモとして記しておくわけです。
ここは大切と思ったところに線を引きながら、同時に自分の気づきや疑問点を本の余白に書いておきましょう。
本に線やコメントを書いていくことで、本自体が皆さんのノートになります。
結果、ノートに書き出すメモはその中でも最も大切な部分だけに絞り込み、再度深く見直したいと思えば本のメモに戻ればいいわけです。
ノートに何をメモしておくか
ノートに書く読書メモは、どうすればいいでしょうか。メモする内容は、次の5つ。
・本のタイトル
・著者名
・日付
・本の中で最も大切だと思った部分3つ程度
・そこから得た気づき
メモする方法は、文章をそのまま抜き書きにするというより、自分なりに必要な部分だけを要約して書き出します。
気づきは、全体の「まとめ」として自分の考えたことを最後に書き加えるのでいいでしょう。
ただ、この「気づき」こそが、本から得られた本当の意味での自分の血肉化した知識(考える力)になるはずです。
『考える人のメモの技術』では、今日から使えるメモの技術をたくさん紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
(本原稿は、下地寛也著『考える人のメモの技術』から一部抜粋・改変したものです)