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大谷翔平選手の二刀流に学ぶ日本人らしい稼ぎ方Photo: Adobe Stock

日本人には二刀流の素質がある

 二刀流と言えば、大谷翔平選手を思い浮かべますが、二刀流の使い手は大谷選手だけではありません。スケートの橋本聖子さん、女優の本田望結さんなど、二刀流の使い手は意外と多そうです。

 著名人に限った話ではありません。あなたにも二刀流の素質があります。なぜなら日本人は器用だからです。手先が器用なので、人類最古の道具である磨製石器も、人類最古の調理器具である縄文土器も、古代日本人が発明しました。古代日本人だけでなく、現代日本人も同様です。モノ作りの精密さ、精巧さ、品質においては、日本製がぶっちぎりです。

思考術も言語も、日本人は二刀流

 器用なのは手先だけではありません。思考術も器用です。だから日本人は、本音と建前を器用に使い分ける「思考術二刀流」を駆使します。欧米人には真似できない芸当です。

 日本語も二刀流です。漢字のような表意文字とカナのような表音文字とを使いわける「言語二刀流」ができる民族は、世界広しといえ、日本人だけです。

二刀流は日本企業のお家芸

 ビジネスも同様で、本業以外に副業もてがける「稼ぎ口二刀流」が、日本企業では当たり前です。たとえば、讃岐うどんで有名な丸亀製麺の本業は焼鳥屋でした。ところが今では、副業で始めたうどん屋が稼ぎ頭です。

 千葉県の銚子電鉄も、副業で始めた「ぬれ煎餅」や「まずい棒」などの物販の売り上げが、本業の鉄道業の4倍に成長しています。

 トヨタ自動車も、もともとは豊田自動織機という織機メーカーでしたが、副業で始めた自動車部が成長し、グループの稼ぎ頭となりました。

 日本人はこのように器用なので、本業のほかに副業も手掛けて成功させてきた歴史があります。その最も典型的な例が4大財閥グループです。住友グループは住友金属鉱山の前身の泉屋(1590年)から、三井グループは三井越後屋呉服店(1673年)から、安田グループは両替店の安田屋(1864年)から、三菱グループは九十九商会という海運会社(1870年)からスタートしました。ところが今では、創業時の本業とは別の畑違いのジャンルまで幅広く手掛けています。

二刀流で変化に対応したから日本企業は生き残った

 世界を見渡すと、企業の寿命は意外と短く、たとえばアメリカのトップ500の大企業の半数が15年で消滅しています(*1)。ペット並みの寿命です。

 これに対して、日本の企業は長生きです。世界の創業100年以上の企業約8万社のうち41%が日本企業ですし、創業200年以上の企業約2千社のうち65%が日本企業です(*2)。

 なぜ日本企業が長生きかというと、「稼ぎ口二刀流」を使って、新規事業(副業)を立ち上げて、時代の変化に対応してきたからです。世界最大のフィルム会社だったイーストマン・コダックが倒産したのに対して、富士フイルムが「ヘルスケア」「高機能材料」の会社として更なる成長を遂げているのが、そのよい例です(*3)。

稼ぎ口二刀流は昔から日本人の十八番だった

 企業だけではありません。個人も同様で、昔の日本人は「稼ぎ口二刀流」を実践していました。たとえば、農民は本業の農作のほかに副業で「わらじ」や「みの」などを作っていました。武士(公務員)の多くも別号を名乗って、公務のかたわらで副業をしていました。「稼ぎ口二刀流」は、日本人の十八番(おはこ)だったのです。

 ところが戦後のGHQによる占領政策の下で、日本的な長所はことごとく破壊されてしまいました。働き方についても、専業サラリーマン(稼ぎ口一刀流)が主流になってしまいました。

二刀流こそが日本人のDNA

 でも、先の見えない令和は、稼ぎ口一刀流が通用しない時代です。そんな背景があるので、政府も裁判所も厚生労働省も国税庁も、副業(稼ぎ口二刀流)を擁護しているのでしょう。

 しかも、日本人は世界一器用なのですから、稼ぎ口を2つ持つことくらい、朝飯前です。大谷翔平選手の活躍を見るにつけ、二刀流こそが日本人のDNAだ、ということに気づかされます。

 そうであれば、先人を見習って、行動あるのみです。あなたも、自分らしい「稼ぎ口二刀流」を探してみませんか。

*1 (経済気象台)会社の寿命はすぐ来る
*2 世界の長寿企業ランキング、創業100年、200年の企業数で日本が1位
*3 コダックはなぜ破綻したのか:4つの誤解と正しい教訓

**本記事は、『40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい 年収アップと自由が手に入る働き方』著者による書き下ろしです。