変化が激しく先行き不透明の時代には、私たち一人ひとりの働き方にもバージョンアップが求められる。必要なのは、答えのない時代に素早く成果を出す仕事のやり方。それがアジャイル仕事術である。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社、6月29日発売)は、経営共創基盤グループ会長 冨山和彦氏、『地頭力を鍛える』著者 細谷 功氏の2人がW推薦する注目の書。著者は、経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)で、IGPIシンガポール取締役CEOを務める坂田幸樹氏だ。業界という壁がこわれ、ルーチン業務が減り、プロジェクト単位の仕事が圧倒的に増えていく時代。これからは、組織に依存するのではなく、一人ひとりが自立(自律)した真のプロフェッショナルにならざるを得ない。本連載では、そのために必要なマインド・スキル・働き方について、同書の中から抜粋してお届けする。

「大事なことほど後回し」にしてしまう人のたった一つの特徴Photo: Adobe Stock

緊急度が低く、重要度が高いことは後回しにされがち

 皆さんは、大事なことをついつい後回しにしてしまい、その結果手遅れになってしまうことはないでしょうか。例えば、以下のような場面に身に覚えのある人は多いのではないでしょうか。

・チャイナリスクに備えてベトナムでサプライヤーを探すように5年前から社長に言われていたが、後回しにした結果、優良なベトナムのサプライヤーはすでに競合との取引を開始していた

・新卒のとき、英語力がネックとなり海外赴任の機会を得られなかったので、いつかは英語を本格的に勉強しようと思い続けていたものの、気づいたら40歳になって海外赴任の機会がほとんどなくなってしまった

・健康診断で高脂血症が分かったが、医師に提案された食事療法は続かず放置した結果、10年後に深刻な病気へと発展してしまった

 いずれの例も重要度は高いですが、緊急度が低く、このようなタスクは後回しにされてしまいがちです。なぜならば、上司からの突発的な依頼や顧客からのクレームなど、緊急度が高いタスクは、自分の意思にかかわらず、日々発生するからです。

緊急度が高くなってからでは、打ち手の数が限られる

 ここで重要なのは、タスクの緊急度が高くなると打ち手の数が限られるということです。

 例えば、ベトナムの優良なサプライヤーがすでに競合と取引を開始していたら、劣悪なサプライヤーと取引せざるを得ないかもしれません。

 また、優良なサプライヤーと取引することができたとしても、足元を見られて高い価格を要求されてしまう可能性もあるでしょう。

 また、食事療法にまじめに取り組まなかった結果として深刻な病に発展してしまったら、治療法が限られるどころか、治療法がすでになく命にかかわることさえあり得ます。

カレンダーに書き込まれていないことは、実行されない

 大事なことを後回しにしてしまう人の多くは、タスクをカレンダーに書き込むということを習慣化していません。しかし、それではいつまでたっても緊急度が低く、重要度が高いタスクが実行されることはありません。なぜならば、前述のとおり、緊急度が高いタスクは自分の意思にかかわらず、常に発生するからです。

 重要度が高いタスクが発生したら、緊急度にかかわらず、すぐにカレンダーにアクションを書き込みましょう。アクションは「ベトナムのサプライヤー候補を5社リスト化する」「●●英会話教室に申し込む」「●●病院へ再検査に行く」のように具体化して、カレンダーに書き込みましょう。

アジャイル仕事術』では、タスク管理の方法以外にも、働き方のバージョンアップをするための技術をたくさん紹介しています。ぜひご一読ください。

坂田幸樹(さかた・こうき)
株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)、IGPIシンガポール取締役CEO
早稲田大学政治経済学部卒、IEビジネススクール経営学修士(MBA)
大学卒業後、キャップジェミニ・アーンスト&ヤングに入社。日本コカ・コーラを経て、創業期のリヴァンプ入社。アパレル企業、ファストフードチェーン、システム会社などへのハンズオン支援(事業計画立案・実行、M&A、資金調達など)に従事。その後、支援先のシステム会社にリヴァンプから転籍して代表取締役に就任。退任後、経営共創基盤(IGPI)に入社。
2013年にIGPIシンガポールを立ち上げるためシンガポールに拠点を移す。
現在は3拠点、8国籍のチームで日本企業や現地企業、政府機関向けのプロジェクトに従事。
IGPIグループを日本発のグローバルファームにすることが人生の目標。
細谷功氏との共著書に『構想力が劇的に高まる アーキテクト思考』(ダイヤモンド社)がある。
超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社、2022年6月29日発売)が初の単著。