コロナ禍、ウクライナ危機、急激なインフレ…。いつ何が起こるかわからない世界を生きる私たちは、どんな変化にも対応できるようにストレスへの対処法を知っておく必要がある。そこでおすすめしたいのが、『ストレスフリー超大全』。多くの人がストレスを感じる「人間関係」「プライベート」「仕事」「健康」「メンタル」の5つのテーマに対して科学的ファクトと対処するためのToDoがまとまった1冊だ。本書を執筆した精神科医の樺沢紫苑氏は、「ストレスは耐え忍ぶものではなく、しなやかに受け流すことが必要である」と言う。本記事では、本書をもとに「仕事のストレスを減らす前向きな働き方」をご紹介する。(構成:瀬田かおる)
「仕事は楽しくないのは当たり前」は本当か?
社会人ならば、一度くらい「仕事が楽しくない」と思ったことがあるだろう。まわりに相談しても「お金を稼ぐとはそういうこと。だから頑張れ」と言われるだけ……。
原因は仕事への向き合い方にある。「上司や先輩から頼まれた仕事だけをこなす」「先を見越した仕事をしない」といった、受け身の状態で仕事に向き合っているうちは、仕事を楽しむのは難しい。
樺沢氏は本書の中でこう述べている。
「どうしたらこの仕事をもっと早くやり遂げられるだろう」といった「創意工夫をする姿勢」がやり甲斐につながるのだ。
AI時代に人間がすべき仕事とは?
AIの進化によって単純作業は随分と省力化された。今後、AIによって仕事を奪われる人がますます増えてくるだろう。
そこで私たちは、「インプット仕事」から「アウトプット仕事」へとシフトする必要があると樺沢氏は言う。
インプット仕事とは、言われたことだけをやり、指示がないと動けない仕事のやり方をいう。一方、「アウトプット仕事」について、本書にはこう書かれている。
仕事に対して積極性をもっているかが大切となる。ここで、積極的に取り組むためのコツを紹介しよう。それは「経営者マインドで仕事をする」だ。
雇われる側の視点ではなく、経営者の視点で仕事を行うと、どうしたら売上向上につながるだろうかと、広い視野で仕事ができるようになる。
「会社の勉強」ではなく「自分の勉強」
アウトプット仕事を心掛けていると自分の実力不足に気づくことがあるだろう。そこで必要になってくるのが「自分の勉強」だ。
社内でしか通用しない「会社の勉強」ではいくら懸命に学んでも及第点の「70点」にしかすぎないと樺沢氏は言う。
なぜなら、「会社の勉強」はマニュアル化されていたり、社内研修で学ぶ機会があるので誰でもできるからだ。
では、「自分の勉強」とは何かというと「あらゆる仕事に役立つ知識」である。たとえば、仕事術、文章術、コミュニケーション術などがそうだ。
これらは会社では教えてくれない。自分で学ぶしかないのだが、結局これをするかどうかが周りの人間との差になるのだ。
このように積極的に仕事に取り組み、求められる以上の質の高い働きをする人は、会社にとってなくてはならない存在となっていく。
「副業」で経営者マインドを身につける
書店には、副業を始める人のための書籍が数多く並べられている。副業を禁止している会社がまだまだ多いとはいえ、今後は副業を解禁する会社が増えていくだろう。
副業は収入源を増やすためだけのものではない。自分の夢を叶えるためであったり、得意分野を活かした活動ができるので、自己実現の場という面がある。
また本業では、担当する業務だけを行っていればよいが、自分で始めた副業であれば、営業や経理、広報など、あらゆる業務をすることになる。
そして、いかにして売上を上げるか試行錯誤することは、先ほど述べた「経営者マインド」を身につける絶好の機会となる。
副業で身につけた「経営者マインド」を本業でも活かすことができたら、働くことへのモチベーションが上がり、仕事の楽しさを味わうことができる。
早いうちから副業に取り組んでおけば、退職してからの収入源にもできるだろう。