「サイコパス経営者」のたった1つの特徴ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

強いリーダー、弱いリーダー

 あなたはいま、どんなトップの下で働いているでしょうか。

 一般的に人は「強いリーダー」を求めるものだと思います。主導権を握って、どんどん政策を進めたり、人々の心をつかんだり、前へ前へと押し進めるようなタイプに期待しますよね。

 政治家への不満も、ほとんどそれです。

「昔の政治家はもっと強いリーダーシップがあった」「政策を推し進めてくれた」「今のリーダーは弱くなった」ということがよく言われます。

 だったら、本当に強いリーダーが求められるべきなのでしょうか。

 僕の考えは、少し違うので、それについて述べましょう。

裸を認めないリーダー

 一般的に言われる「強いリーダー」には、ある弱点があります。

 それは、「失敗を認めない」ということです。

 選挙に負けても、「勝手に結果が操作された」「陰謀だ」という言い訳が出てくる人がいます。

 強いリーダーは、その強さや自信ゆえに、「簡単には引けない」という弱みがあるんですよね。

 それは、自分が「裸」であることを認めない王様と同じです。

 そんな強いリーダーに依存するのは、「私たちは言いなりでいいです」「勝手に決めてください」と、同調圧力に負けることを意味します。そうやって権力が、ときに暴走をしたりします。

リーダーに必要な「割り切り」

 本当の意味での「強さ」とは何なのでしょうか。

 それは、負けを認めて軌道修正する「柔軟さ」だと思うんですよね。

 ちなみに、僕は会社を経営している立場です。

 経営をうまくいかせるためには、ビジネスを「ゲーム」として捉える必要があります。

 たとえば、個人的な感情では、会社が赤字になろうが、特定の誰かが異常に高い給料をもらっていようが、別にかまいません。

 しかし、経営となると、感情と切り離したゲームとして捉えるので、「黒字にしたほうがいい」「能力以上の給料は払わない」というルールを守ります。親しい友達から「困っているんだよね」と言われると、助けたくなります。

 ただ、会社に飛び込み営業をしてきた人に「困っているんですが……」と言われても、いちいち対応なんてしないでしょう。そうやって仕事上の人間関係を使い分けるものですよね。

「サイコパス経営者」の特徴とは?

 経営をしている以上、僕も「リストラ」をすることがあります。リストラを伝えることは苦手です。本心では雇っていたいのに、仕方なくやらなくてはいけないからです。

 そのときに、僕は、次のようなことを思いました。

「リストラすることに慣れ、何の感情も起こらない『サイコパス』にこそ経営が向いているんだろうな……」

 サイコパスであれば、「無能な人」をあっさり切り捨てることができます。それができる人は、組織をどんどん大きくしていくことができるんですよね。

 さて、あなたは、どんな王様の下で働きたいでしょうか?

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『99%はバイアス』『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。