ギガスクール亡国論と
子どもの教育の危機

秋山 先生はギガスクール構想にも批判的でいらっしゃいますね。

川島 教育こそ、エビデンスを基に政策を決定するべきです。ギガスクールは何の効果あるか検証されていません。やりたい人がいて多くのお金が動くからやっている。教育は国の未来を左右するのに、本当にそれでいいのか。ただ、iPadを小中学生に配るといっても、これは通常予算でなく特別予算です。修理代は自治体で負担するので、経済的に回らないだろうと思います。

秋山 ICTを使えば、個人の特性に合わせて最適化された効率的な学習ができると喧伝されています。

川島 ある特定の個人が伸びるというデータだけではエビデンスとはいえません。集団で見たときに良い方向にいくというデータが必要です。集団でエビデンスを取ってから実施すべきで、今のICT教育とやらは、私の見る限り、ゲーム以下のくだらないものです。憎悪すら感じます。

秋山 それくらいレベルが低い。

川島 授業中にiPadでゲームをしているだけ。現場の教師は気づいていても、お上が怖くて見て見ぬ振りです。

秋山 ITリテラシーを高めよと言いますが、知能レベルの向上とITリテラシーが混同されていますね。

川島 ICT教育を何のためにやるか、どこを向かせたいのかという為政者の意思がない。ICTが発展しているから使わせるという短絡的な考えのような気がしてなりません。アメリカの場合は教員削減のためにデジタルデバイスを使っているといわれています。子どもは学校に来なくて良くなる。しかし、それでは批判能力がなくなり、教育という名の下に洗脳しやすくしている。結局GAFAに踊らされているんです。