組織全体の底上げには
「キー人財以外」の能力向上が肝心

 組織能力向上のためには全体の底上げが不可欠です。キー人財の育成とともに、社員全体の育成も同時に進めることが変革を進める上で重要となります。

 全体の底上げには、階層別研修のほか、自分で勉強できる「ナレッジモール」というeラーニングの通信教育制度を拡充しました。さまざまなジャンルの1,000コースのプログラムがあり、PCやスマートフォンで学べます。

 もともと事務職にはPCを1人1台貸与していましたが、19年から社員全員にスマートフォンとPCを貸与、今年からは、DX(デジタルトランスフォーメーション)に照準したコンテンツも増やしました。

 ボトラー社が統合し、コカ・コーラ ボトラーズジャパンとなった後、社員からは「今まではキャリア構築について、先輩の歩みを参考にできた。しかし、統合後はロールモデルがなくキャリアが見えにくくなった」という声が多く上がっていました。

 そこで、もともと年1回行っていたキャリアプランの面談(キャリアプランとディベロップメントプランの2種類)を改良しました。事業部門ごとに何年でどのポジションに行けるのかというキャリアジャーニーを書き出し、各面談でこれを基にキャリアを描く支援をしています。

巨大で複雑な1.5万人企業、コカ・コーラ ボトラーズジャパンを「小回りが利く組織」に変えた人事秘策資料提供:コカ・コーラ ボトラーズジャパン
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明日公開の後編もぜひご覧ください。