すると、かなり多くの学生が悩んでいるのが「承認」がらみの問題でした。

「人からどう思われるか」ばかり気になってしまう……

 承認欲求とは、「人から認められたい、承認されたい」という欲求です。まわりの目が気になったり、人から認められたいという思いが強すぎるがゆえに自分自身ががんじがらめになってしまうのです。

「人から認められたい」「嫌われたくない」「排除されたくない」そういう気持ちです。

 この欲求が現代人はすごくすごく強い。それによって心が縛られているのです。

「人に認められたい」という気持ちが強すぎると、たえず「私どう思われるかな」「変なふうに思われていないかな」「大丈夫かなぁ」とおどおどしてあたりをキョロキョロ見渡してしまう。そんな不自由な人生になってしまいます。

 人に認められたい気持ちが強すぎると、自分のための人生でなく、「誰かのための人生」になってしまうのです。

あなたに見えてる世界は幻かもしれない

 重要なのは、多くの人が、今の自分の人生とはまったく違った人生があるということを知らないまま、自分がいる世界が(それだけが)「ふつうの人生」で「世の中のみんながそうだ」と思い込んだまま生きているということです。

「他人と自分を比べる」「他人の目を気にする」「マウントをとる」……すべての人たちが、100%これをやっていると思っている。だから気づかない。人生はこれ以外にない、それが「ふつう」の人生だと思っているんです。

 だから、「承認の条件」に縛られ、ビクビクしたまま、人生を生きることになります。

「承認されなかったらどうしよう」「世間のマジョリティから外れたらどうしよう」と怯えながら、他人との関係を常に上下で見ています。「人から下に見られたらどうしよう」と、他人と自分を比べてばかりいます。まわりからどう見られるかにいつもビクビクしているのです。

「承認ワールド」の住民票を手にしていませんか?

 承認欲求が強い人は、傷つくこと、否定されること、報われないことに敏感です。

 だから、小さな失敗ですぐに「どうせ僕はダメなんですよね」となってしまう。誰も説教しようなんて思っていないのに、自分で勝手に受け身をとる。そうやって、傷つきやすい自分を守ろうとする。

 評価されないことにナーバスです。「頑張ったね」「ありがとう」を言ってもらわないと、「なんでもっと私に感謝しないんだ」となる。