気持ちを込めれば、それだけで仕事のパフォーマンスは上がる
本田 俺は旅をしたりとか、食べ歩いたりしているけれど、そのアウトプットとして「DREAM DUSK」(有名シェフを集めたコラボイベント)とか「Inspire by Relux」(トップ旅館のプレミアムプラン)をプロデュースしている。最近では、そこからまた派生した仕事が増えているんだよね。
ベンチャーのアドバイザーなどの仕事も、もちろんまだやっているけれど、職や旅の仕事は好きだからさ、楽しいじゃない? 焼酎とかシャンパンも盛り上げたいし。好きなことだから気持ちも入る。
四角 仕事の成果って、どれだけ本人が楽しめるか、それを愛せるかで決まると思うんです。それがないと、そこそこのパフォーマンスしか出ないし、そもそも続かない。ナオさんが今やっていることって、大好きで興味があることだから、労せず超ハイパフォーマンスが出せているんですよね。
ナオさんから出てくるアドバイスって、ナオさんからしたら「楽しくて思いついた」っていうレベルかもしれないけれど、相手からしたら、そんな切り口があったんだ!? という。
本田 実際に自分が体験しているものがベースになっているというのも大きいかな。勉強して得たものではなくて。
四角 そうですよね。体に刻み込まれたものが、一番説得力があると思うんです。
本田 スティーブ・ジョブズも言っていたけれど、点と点がつながって今があるんだよね。大輔も俺も、傍から見たら何をやっているのかわからないかもしれないけれど、今までいろいろなことをやってきたことが、今の仕事につながっている。大輔の場合は、音楽があったり、登山があったり、釣りがあったり、オーガニックがあったりとか。一つひとつを見るとバラバラかもしれないけれど、これらが今の大輔を作っている。
四角 そう言われて気づいたんですけれど、この『超ミニマル主義』って、僕がこれまで52年間の人生で体験した点が、全部1つにつながってできた感がありますね。口では「これまでの集大成の本です」なんて言ってきましたけれど、今さらながら腑に落ちました。
本田 5年後くらいにまた書いてみたら面白いかもよ。「また進化しているじゃん!」と気づけるかも。テクノロジーの進化は、本当にすごいから。
四角 なるほど、考えてみます(笑)。
(了)
『超ミニマル主義』では、「手放し、効率化し、超集中」するための全技法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
執筆家・環境保護アンバサダー
1970年、大阪の外れで生まれ、自然児として育つ。91年、獨協大学英語科入学後、バックパッキング登山とバンライフの虜になる。95年、ひどい赤面症のままソニーミュージック入社。社会性も音楽知識もないダメ営業マンから、異端のプロデューサーになり、削ぎ落とす技法でミリオンヒット10回を記録。2010年、すべてをリセットしてニュージーランドに移住し、湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む。年の数ヵ月を移動生活に費やし、65ヵ国を訪れる。19年、約10年ぶりのリセットを敢行。CO2排出を省みて移動生活を中断。会社役員、プロデュース、連載など仕事の大半を手放し、自著の執筆、環境活動に専念する。21年、第一子誕生を受けて、ミニマル仕事術をさらに極め――週3日・午前中だけ働く――育児のための超時短ワークスタイルを実践。著書に、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)、『人生やらなくていいリスト』(講談社)、『モバイルボヘミアン』(本田直之氏と共著、ライツ社)、『バックパッキング登山入門』(エイ出版社)など。