短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。発売前から「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが注目の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。
10分以内に完了するものは
“今すぐ”やる理由
上司から「出張用PCを軽量タイプに替えることを検討してほしい」と依頼されたら、仕事が速い人は当日、または翌日までに返事がくる。
一方、仕事が遅い人は3ヵ月くらいかかるときもある。
タスクが発生したときに両者はどう考えたか。
仕事が速い人は、
「検討時間は1時間。緊急度は高くないが、1時間ですむなら先にやっちゃおう。その1時間をいつ取ろうか。今日の夕方に取っちゃえ」
と考える。
仕事が遅い人は、
「新しい案件がきた。今は別の案件を抱えているから、全部終わってから取りかかろう」
と考える。
優先順位の入れ替えはしない。
前者のほうが圧倒的に速く、精度も高い。
記憶が鮮明なうちに実行するからだ。
結果を出す件数も多い。一案件の時間が短いからだ。
前者に頼むと、翌週には新しいPCに替わっているが、後者に頼むとそこから新しいPCを探すのにも時間がかかり、へたすると半年後くらいになる。
完了時間によって優先順位を変える
このように、優先順位の設定により、アウトプットに大きな差がつく。
私は次のように、完了時間の目安で優先順位を変えている。
1 10分以内に完了→今すぐやる
2 30分以内に完了→今日中にやる
3 1時間以内に完了→明日中までにやる
4 1日以内に完了→2週間以内にやる。やる日を決める
5 すぐにやる価値のないもの→「やらない」と決める
簡単な調べものや検討事項をまとめる作業は10分以内に終わるので、すぐやる。
会議で「10分以内に完了するタスク」が出てきた場合、会議が終わった直後の記憶が鮮明なうちに終わらせる。
他のことを挟むと思い出す時間がかかり、精度も落ちるのだ。
(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)